【質問】世界史・政治経済:「共和政」と「民主政」の違い

簡単に理解するなら、
・共和政:「王政・君主政ではない」政治のあり方。貴族政も含まれる
・民主政:共和政の一形態で、主に一般の人々(またはその代表者)が政治を担うもの
と思ってください。

ただし、民主政であったとしても、権力の座についた人が結果的に独裁を行うケースもあります。
※ ナチス・ドイツのヒトラーなど

【王政】 ・専制君主政(国王が独裁)
・立憲君主政(憲法>国王)
【共和政】 ・貴族共和政(貴族が支配)
・民主共和政(人々が自ら統治)

 

〔発展編〕共和政(広義)の中で、共和政(狭義)と民主政を比較する場合

政党の「共和党」と「民主党」のような形で、両者を比較する場合は、
・「共和」の方が富裕層等の一部の人(上層・中層を重視)
・「民主」の方は労働者等までを含む(下層を重視)
といった意味合いになります。
民主政または民主主義というのは国民の権利等がより末端まで浸透している形態で、一方、この場合の「共和」については「王政ではない」といった程度の意味合いで理解しておいてもらってもいいと思います。

(参考までに)

一般に、社会構成として下層は「人数が多い」という特徴があります。ですので、普通選挙を行うと多数決の原理でこちらの勢力が勝ちやすくなります。例えば、過去にイギリスでは選挙権の拡大に伴って、下層市民を代表する労働党が躍進しています。
一方で、一般に下層市民は教育水準が低い傾向がありますので、選挙権を拡大しすぎると国民全体として正しい判断ができなくなる危険性もあるのです(小学生に選挙権を与える、というのと似たような話です)

もちろん「一部の人に権力を握らせない」という意味で民主政は非常に大事ですが、一方で、教育水準等が低い状態で民主政があまりにも進みすぎると、いわゆる「衆愚政治」(愚かな民衆による政治。民主政の堕落形態)に陥るというようにも言われます。現在の日本等であれば、なんだかんだ言いながら、国際的には義務教育もしっかりしていますので、普通選挙を実施しても大丈夫なのだろう、と筆者個人は考えています。

あと、漢字について、「共和『政』」と「共和『制』」などの違いですが、基本的には同じだと思ってもらってOKです。
そういう「政治」なのか、そういう「制度」なのか、の違いですが、そもそも「制度」は「政治」が決めることなので、結局両方とも同じ内容を指すことになります。

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