【質問】公民・政治経済:なぜ「需要が増えれば価格も上がるため、需要曲線は右上がりとなる」ではないのですか?

〔質問〕
「一般的に、需要が増えれば価格も上がるため、需要曲線は右上がりとなる。」
この文章は間違いですが、もっともなことを言っているような気がします。そうはならないのはなぜですか?
〔回答〕
需要曲線は、あくまでも「価格が高ければあまり欲しいと思わず、安ければ多く欲しい」という「買い手の気持ちだけ」を示すものになります(売り手は登場しない話)。
そのため、例外的な商品を除けば、「価格が高く、量が少ない」という点から、「価格が低く、量が多い」という点に向かって結ばれることになります。

一方、質問文の「需要が増えれば価格も上がる」というのは、「需要曲線自体が変化した場合」に「供給曲線との交点が変わる」ということを言っています(売り手も登場する話)。
これについては下記の詳細欄を参照してください。

〔詳細〕
まず、こちらの記事で「需要曲線上の移動」と「需要曲線のシフト」の違いについて確認してください。
 
 
それを踏まえた上で、
今、需要曲線が以下のような状態であると仮定したときに、

 
この需要曲線と、その時の供給曲線(生産者側にとっての価格と生産量の関係)とを組み合わせることで、価格と取引量が決まるわけですが、
(図中の供給曲線は簡易的に書いていますが、こちらも同様に、本来は1つずつ点を結んだもの)

 
 
一方の、質問文の「需要が増えれば」については、正確には「『その商品の価格以外のこと』が変化したことで、その商品の需要が増えれば」ということで、需要曲線自体のシフトを意味しています。
この右シフトした状態で、供給曲線(変化していないものとします)と組み合わせると、均衡点が右上にズレることになり、「実際の取引値が上がり、取引量も増える」ということになります。
これが質問文の「需要が増えれば価格も上がる」のことです。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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