現役女性医師より:医師を目指すにあたって考えておきたいこと(前編)

こんにちは。現役女性医師のharuと申します。「医師になりたいな」と考えている方に向けて、医学部受験~医師になることまでお伝えしたいと思います。

大学名にこだわりすぎる必要はない

医学部を目指すに当たって最初に考えたいのは、「どの大学に進学するのか?」ということです。「旧帝大を目指したい」「地元の医学部に進学したい」等、様々な希望があると思いますが、医学部進学はあくまで医師国家試験を受けるための通過点に過ぎません。大学名にこだわるよりも、1年でも早く医師になり若くて体力のあるうちに医師人生をスタートするのが望ましいと思います。

医師の労働はとても過酷です。2019年4月から施行された働き方改革においても、医師に対する長時間労働は容認される形になっています。何より、患者さんの命を預かっている以上、「毎日、定時になったら帰られる」という類の仕事ではありません。そうしたことを踏まえると、「『非常に過酷』&『仕事に慣れないことによる疲れ』」は若いうちに通過した方がいいと思います。

目指している医学部が模試で常にA判定・B判定が出るのであれば問題ないと思いますが、成績が厳しい状況であれば全国の医学部に視野を広げましょう。目指したい大学は最終目標としておいておきつつ、全国医学部入学試験の配点傾向を分析し、自分が得意とする教科・科目で勝負できる医学部を探すのも一つの方法だと思います。

なお、読者の中には、志望校を考える時に「医局制度」を意識する人もいるかもしれません。実際、医局では自大学出身者が優遇される側面はあるものの、一方で医師としての実力があればそうでなくとも出世はできます。医局のことは大学受験の時点ではさほど考えず、1年でも早くどこかの医学部に入学することを優先した方がいいかなと思います。

医学部での生活

他学部の学生が大学3・4年で就職活動を行うのに対し、医学部進学者は大学入試時点で就職活動を行っただけの話です。つまり、大学生活自体に大きな違いがあるわけではありません。

前述したように「1年でも早く医師になること」は頭に置いておく必要はありますが、大学生活まで勉強・勉強では気が詰まります。実際、医学部の学生の課外活動は多様です。部活に励む人、インカレサークルで他学部や他大学と交流する人、アルバイトに励む人、ボランティア活動に携わる人、長期休暇のたびにバックパッカーをする人、ひたすら家でのんびりする人、最近ではベンチャー企業を立ち上げる人など様々です。試験前の集中力はみんな凄まじいものがありますが、それ以外は案外ゆるやかに楽しく過ごしています。

また、医学部に合格するには物凄い努力とエネルギーを要するので、大学1年生ではじけて留年する人もしばしば。「留年したら友達が倍になった」というポジティブに考える人もいるので、留年自体が良い悪いということもありません。

いずれにせよ、メリハリをつけて学生生活をエンジョイし、様々な出会いや経験を重ねることが、その後の医師人生の礎となります。医学部入学後の6年間は楽しい時間が待っていると楽しみにして、まずは医学部合格を目指しましょう。

医学部を目指すイメージが少し明確になりましたでしょうか?
後編では、医師になってからの働き方についてお話したいと思います。

(注)この文章は、現役医師のharuさんに執筆をお願いしました

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