世界史用語:軍人皇帝時代(ぐんじんこうていじだい)

ローマ帝国の衰退期に、約50年間にわたって26人もの皇帝が相次いで即位した時期。具体的には235~284年までの間とされる。
この時代の皇帝たちが、主に軍事力によって権力の座についたことからこう呼ばれている。
(補足)
軍人皇帝時代のローマ帝国は、外部からの圧力と内部の対立に直面していた。
外敵としては、ササン朝ペルシアやゲルマン民族の侵入があった。
皇帝ウァレリアヌスがエデッサの戦いでササン朝ペルシアの捕虜になるという、帝国の威信を大きく傷つける出来事もあった。

一方、皇帝の地位は不安定で、暴力的な形で頻繁に交代。
要は、リーダーシップに欠けるわけで、ローマ帝国は軍事的、経済的、社会的な危機(「3世紀の危機」)を迎えることとなった。

軍人皇帝時代は、ディオクレティアヌス帝の即位(284年)までとして区分される。
ディオクレティアヌス帝が諸改革を行うことで軍人皇帝時代の混乱は収束し、ローマ帝国は一時的な再興を見せた。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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