世界史用語：終身独裁官（しゅうしんどくさいかん）

共和政ローマで、カエサルが元老院の勢力を抑え込んだ後に就任した役職。
伝統的な政治システムにおいては異例のもので、前例のない権力を与えられた。

（補足）
元々、独裁官（ディクタトル）は緊急時に限定して設置されるものであったが、カエサルは前44年に終身の地位としてこの役職に就いた。

カエサルは、元老院の影響力を大幅に減少させ、自身の権力を絶大なものにした。
具体的には、法律制定、軍事指導、公共事業の実施など、国家のあらゆる重要な事項についての決定権を持っていた。

この権力集中は、共和政ローマの伝統的な価値観と政治システムからの逸脱を意味し、帝政ローマへの移行期を象徴する出来事となった。

なお、当然ながら、元老院の人たちにはおもしろいわけがなく、結果的にカエサルは暗殺されることとなった。

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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