（補足）
漢字に注意。「神との契約・約束」というものなので「約」の字。
キリスト教の経典が新約聖書であるのに対し、こちらは「神との古い約束」という意味合いで「旧約」となっている。

旧約聖書はヘブライ語で書かれ、数世紀を経て成立した。
ユダヤ教の信仰の基礎を形成し、ラビ文化やシナゴーグの宗教的実践に大きな影響を与えている。
（ラビとはユダヤ教における指導者・教育者のこと、シナゴーグとは礼拝所のこと）

『創世記』から『マラキ書』に至るまでの一連の書物から構成され、神の創造行為、ユダヤ人の歴史、預言者たちの教え、道徳的・宗教的法則などが記されている。
ユダヤ人が経験した試練や苦難、解放の物語が織り交ぜられ、神の教えと指導の下での生活が説かれている。

ユダヤ教では、ユダヤ人が神に選ばれた民という「選民思想」が根底あるが、これについても旧約聖書を通じて表現されている。

ユダヤ教だけでなく、キリスト教においても聖典の一部としても用いられるなど、西洋文化や宗教にも深い影響を与えている。