〔質問〕 大航海時代がヨーロッパにもたらした影響について、「商業革命」と「価格革命」の違いがわかりません |
〔回答〕 大航海時代を経て、 ・商業革命:ヨーロッパ内の商売の在り方が変わった、という出来事 ・価格革命:物価が上がった、という出来事 |
つまり、「商業革命」は全体的な変化・総称的なことを指し、「価格革命」はその中の一部の具体的な現象のこと、というように捉えてもらったらいいと思います。
大航海時代を迎えて、ヨーロッパの経済が大きく変化しました。
「商業革命」はその一連の変化のことを指すもので、具体的には、
・経済の主体が、地中海沿岸地域から大西洋沿岸地域に移行
・ヨーロッパ内の都市間などの交易が活発化(それ以前は荘園制もあり、自給自足的)
したことなどを指します。
一方、「価格革命」は物価(=物の値段)が大きく変化した、という部分だけを指します。
大航海時代を経て、アメリカ大陸から大量の銀がヨーロッパに流入しました。これに伴う銀の希少価値の下落のことを指します。
言い換えると、同じ物を買う場合に必要となる銀の量が増加したわけです。(=値札に書かれる数字が大きくなった)
この「価格革命」により、それまで蓄えていた資産(銀)の価値が下落したため領主層が没落したり、銀の産地として設けていたドイツ南部地域が衰退することになりました。
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