中3数学:因数分解(工夫した計算)

<ポイント>

・項が4つある式を因数分解するときは、分けて考える
・項が4つある式を「3項と1項」「2項と2項」に分ける場合がある
・どのように分ければよいかは、たくさん解くことで身につく

項が4つある式を因数分解するときは、そのままでは因数分解することができません。
なぜなら、「項が4つある式を、因数分解する公式がない」ためです。

そのため、項が4つある式を「3項と1項」または「2項と2項」に分けて考えることになります。
どのように分ければよいかは、たくさん解くことで身につきます。

「どのようにすれば、自分の知っている形に持っていけるか?」と考えながら、練習してみてください。
 
 
【例題】
次の式を因数分解しなさい。

① 4x2+y2-z2-4xy
② xy-x+y-1
③ ax+2x+2ay+4y
 
 
【解説】
① 4x2+y2-z2-4xy
= 4x2-4xy+y2-z2
= (4x2-4xy+y2)-z2 (←「3項と1項」に分けた)
= {(2x)2-2・2x・y+y2}-z2 (←乗法公式③(x-a)2の形)
= (2x-y)2-z2
2x-y=M とすると、 (←置き換えの利用)
= M2-z2 (←乗法公式④(x+a)(x-a)の形)
= (M+z)(M-z)
(これ以上計算できないので、2x-y=M を戻すと、)
= {(2x-y)+z}{(2x-y)-z}
= (2x-y+z)(2x-y-z) (答え)

② xy-x+y-1
= (xy-x)+y-1 (←「2項と2項」に分けた)
= x(y-1)+(y-1) (←共通因数 x でくくる)
y-1=M とすると、 (←置き換えの利用)
= xM+M (←共通因数 M でくくる)
= M(x+1)
(これ以上計算できないので、y-1=M を戻すと、)
= (y-1)(x+1) 
= (x+1)(y-1) (答え) (←1行前でも正解となることが多いですが、ふつうは x を前に書きます)

③ ax+2x+2ay+4y
= ax+2ay+2x+4y
= (ax+2ay)+(2x+4y) (←「2項と2項」に分けた)
= a(x+2y)+2(x+2y)
x+2y=M とすると、 (←置き換えの利用)
= aM+2M (←共通因数 M でくくる)
= M(a+2)
(これ以上計算できないので、x+2y=M を戻すと、)
= (x+2y)(a+2)
= (a+2)(x+2y) (答え) (←1行前でも正解となることが多いですが、ふつうは a を前に書きます)

<補足>

因数分解するときは、「次数の低い共通因数でくくる」と解きやすくなります。
(高校数学レベルになると、このように考えます)

ただ、高校入試までの範囲では、4つの項に分かれている問題のほとんどが1次式でつくられています。
パターンを知ってしまう方が速く解けると考えられるので、しっかりと練習しておきましょう。

<まとめ>

・項が4つある式を因数分解するときは、分けて考える
・項が4つある式を「3項と1項」「2項と2項」に分ける場合がある
・どのように分ければよいかは、たくさん解くことで身につく

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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