<ポイント>
・速さを表すグラフでは、ふつう「時間と距離の関係」が表されている
・グラフの傾きは「速さ」を表す
・2つのグラフが交わっている場合には「そのときに出会った」
速さを表すグラフでは、ふつう「時間と距離の関係」が表されています。
たとえば、「〇分のとき、●km地点にいる」ということが読み取れるようになっています。
これが一次関数のグラフで表されているとき、そのグラフの傾きは「速さ」を表すことを覚えておきましょう。
また、2つのグラフが交わっている場合には「そのときに出会った」ということも分かるようになっています。
(2)速さを表すグラフを使った問題の解き方
速さを表すグラフがある場合、「一次関数のグラフの問題」であると考えると解きやすいです。
実際にこちらの例題を使って、考えてみます。
【例題】
学校から5kmはなれた公園へ、妹は歩いて、姉は自転車で向かいます。下のグラフは、そのときの時刻と学校からの距離を示したものです。これを利用して、次の問いに答えなさい。
(1)妹が出発してから、x分後の学校からの距離を y km として、x,yの関係を妹と姉それぞれ式に表しなさい。
(2)姉が妹に追いついたのは何分後か、またそのときの学校からの距離を求めなさい。
【解説】
まずは、状況を確認します。
・グラフより、姉は妹が学校を出発してから10分後に出ていることが分かる
・妹よりも姉の方が速く移動していることが分かる(追いついているため)
・同じ5kmの距離を移動しているが、後に出た姉の方が早く着いている
一目でこれらのことが分かります。こちらを念頭において、解いていきましょう。
(1)妹が出発してから、x分後の学校からの距離を y km として、x,yの関係を妹と姉それぞれ式に表しなさい。
「式に表しなさい」ということなので、「一次関数の問題である」と考え、
座標をたよりに解いていきます。
〔妹について〕
妹のグラフは(0, 0), (30, 5)を通っていることから、
その傾きは 5/30=1/6 であるとわかります。
よって、y=(1/6)x …妹
〔姉について〕
姉のグラフは(10, 0), (25, 5)を通っていることから、
その傾きは 5/15=1/3 であるとわかります。
よって、y=(1/3)x +b という形になり、これに(10, 0)を代入すると、
b=-(10/3)
したがって、y=(1/3)x -(10/3) …姉
なお、それぞれのグラフの傾きが「速さ」を表しています。
妹の方を見てみると、「30分かけて5km進んでいる」ことから、
[速さ]=[距離]÷[時間] より、5÷30=(1/6)km/分 となります。
これで、一致することが分かると思います。
(姉について確認しても、同様の結果となります)
(2)姉が妹に追いついたのは何分後か、またそのときの学校からの距離を求めなさい。
「2人で出会う・(速い方に)追いつかれる」というのは、グラフの交点で表されます。
つまり、その交点を調べれば、「何分後に、どの地点で追いつかれたのか分かる」ということです。
なお、グラフの交点は「2つの式を連立方程式として解けばよい」ので、
・y=(1/6)x
・y=(1/3)x -(10/3)
を連立して解くと、x=20, y=10/3 となるので、
答えは、20分後に学校から(10/3)km地点 となります。
<まとめ>
・速さを表すグラフでは、ふつう「時間と距離の関係」が表されている
・グラフの傾きは「速さ」を表す
・2つのグラフが交わっている場合には「そのときに出会った」
※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります |
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