【質問】数学(高校):2n>n3/6 が成り立つことを二項定理を用いて表せ、という問題がわかりません

〔質問〕

数列の極限の問題で、2n>n3/6 が成り立つことを二項定理を用いて表せ、という問題で二項定理まではわかるのですが、そのあとどうしたらいいかわかりません。

〔回答〕

二項定理の利用の仕方については、2n を (1+1)n という見方をして、
(1+1)n
nC0nC1nC2++nC3…+nCn
=1+n+n(n-1)/2+n(n-1)(n-2)/6+…
という変形を行ってください。

※ この変形については自力で思いつく必要はないです。特に数Ⅲ範囲の「二項定理を用いて」という問題タイプではよく使うもので、知識として覚えておけばいいです。
 
 
その上で、
この各項は正の値であるはずのため(そもそも nCk というのは組合せの「●通り」を求める計算のため)、
1+n+n(n-1)/2+n(n-1)(n-2)/6+… は、1+n+n(n-1)/2+n(n-1)(n-2)/6+[正] ということになり、
1+n+n(n-1)/2+n(n-1)(n-2)/6+[正]>1+n+n(n-1)/2+n(n-1)(n-2)/6 が成り立つことになります(※)。

つまり、(1+1)n>1+n+n(n-1)/2+n(n-1)(n-2)/6 までは二項定理を利用すれば得られることになります。
 
 
今回の問題は「>n3/6」を示すことですので、後は 1+n+n(n-1)/2+n(n-1)(n-2)/6≧n3/6 が言えればいいことになります(大>中>小 の関係となるため)

なお、最後で不等式に「=」が入ってもいいのは、仮にここが「=」であっても、A>B=C より、A>C であることには変わりないためです。
(あくまでも A と C の比較)

〔詳細〕

上記「※」の箇所について、問題によって「何項目まで使うか」は変わります。

例えば 2n>1 を(二項定理利用で)示す問題であれば、
(1+1)n=1+[正] だけで、「>1」ということができます。

必要に応じて適宜調整してください。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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