【質問】高校数学Ⅱ:複素数が係数になっているとき、二次方程式における解の公式は使えないと習いました。何故なのでしょうか。

〔質問〕
学校の授業で複素数が係数になっているとき、二次方程式における解の公式は使えないと習いました。何故なのでしょうか。
〔回答〕
正確には、「使えない」というよりは、「√ 記号の使い方があまりよろしくない」ためです。
問題によっては強引に解の公式を使って、そのまま答えにする、という場合もあります。
〔詳細〕
まず、解の公式については、ax2+bx+c=0 から、
a{x+(b/2a)}2-b2/4a+c=0(平方完成)
a{x+(b/2a)}2=(b2-4ac)/4a
{x+(b/2a)}2=(b2-4ac)/4a2 … ①
x+(b/2a)=±√(b2-4ac)/2a … ②
x=-b/2a±√(b2-4ac)/2a
という計算過程から得ているものです。

この①から②に行く過程ですが、「平方根が ±√● である」という処理・書き方はふつうは ● が実数に対して行うべきですので(● が負のときはすぐに i を取り出す)、① の右辺が虚数になりうる「a, b, c に虚数が含まれる場合」というのは除外しておいた方がいい、というものです。
(その点で言えば、x2+ix-1=0 の場合はたまたまスムーズに使える)

逆に、言い方を変えると、
±√(b2-4ac)/2a という書き方が「2乗したら (b2-4ac)/4a2 になる複素数」という意味として使い、かつ、これをきちんと求めるのであれば、必ずしも解の公式が使えないわけではないです。
(あくまでも上記の計算過程に従ってきちんと導かれたものではあるため)

例えば、x2+2x+1-i=0 について、直接的に解の公式に当てはめれば x=-1±√i になるわけですが、
別途、i の平方根(つまり、2乗したら i になるもの)を求めたら ±(1+i)/√2 となって、これを使えば一応解は得られます。

とはいえ、やはり虚数の平方根を ±√● という書き方をしていいのか、という問題があったり、また、結局は別途「虚数の平方根」を求めないといけないのか、ということもありますので、やはりやめておいた方がいいかな、という感じです。
 
 
なお、もし、このような方程式が出題されたら、答案上は ① までは上記のように進め、そこからは別途「虚数の平方根」を求め、(b/2a) を差し引くという書き方をしてください。
「虚数の平方根」については、複素数平面の知識を使うか、(a+bi)2=● という式を立て、左辺を展開して、実部と虚部を照らし合わせる、というやり方で求まります。

※〔回答〕欄で記載の通り、問題によっては強引に解の公式を使って、そのまま √ 内が虚数の状態のまま答えにする、という場合もあります。特に、虚数自体を α や β のようにおかれている場合は、そのまま α, β の状態のまま答えてしまって大丈夫です。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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