地理用語:半導体産業(はんどうたいさんぎょう)

主に、集積回路(ハイテクな部品の一種)を作る産業のこと。かつては日本が強い分野であったが、現在では凋落。
(補足)
半導体(セミコンダクター)とは、導体(電気を通す物質)と絶縁体(電気を通さない物質)の中間的な性質を持つ物質のこと。具体的には、ケイ素(シリコン)やゲルマニウムなどが該当する。
電気の通りやすさが温度や純度によって変わり、その性質を利用した製品が作られる。
例えば、火災報知器(の一種)の場合、高熱になれば通電するようにしておくことで、実際に火事が起こったときにアラームを鳴らすことができる、みたいなこと。
実際にはパソコンやスマホをはじめ、様々な工業製品に使われており、その重要性から「産業のコメ」とも言われる。情報化社会の中ではますます重要となっており、今後も世界的な需要の拡大が見込まれている。

地理の範囲としては、半導体産業といえば集積回路(IC:Integrated Circuit)を作っていると思えばよい。
集積回路とは半導体に複雑な回路を組み込んだもの。回路を細かく描く技術が進むほど、より複雑な処理を、より小さい部品の中でさせることができるようになる。

半導体(≒IC)は「小さくて軽く、高価」であるため、航空輸送にも適しており、わざわざ土地代の高い所に工場を作る必要がない。また、製品の洗浄用にキレイな水が使える所も望ましい。
日本だと九州地方や東北地方で生産がさかんで、それぞれシリコンアイランド(生産が盛んな島)、シリコンロード(東北自動車道の周辺に立地)とも呼ばれる。
世界だと、シリコンヴァレー(アメリカ・カリフォルニア)、シリコングレン(イギリス・スコットランド)などが有名。

かつて(特に1980年代ごろ)日本の半導体産業は世界的にも強く、主要企業(NEC、東芝、日立製作所など)等を指して「日の丸半導体」という愛称まであったが、現在では凋落。生産額も世界全体の半分以上から1割程度にまで落ち込んでいる。
その原因の1つが1986年の日米半導体協定と言われる。これは日米間の半導体での貿易摩擦に関するものだが、アメリカ側からの要求に屈する形で交易条件を悪化させることになった。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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