地理用語:電力指向型工業(でんりょくしこうがたこうぎょう)

工業立地に関して、電力が得られやすい地域に工場ができるタイプのもの。アルミニウム工業が代表的。
(補足)
製造過程で大量の電力が必要な場合、安価に電力が得られる地域に立地しやすい。
アルミニウム工業(アルミニウムの精錬)ではアルミナからアルミニウムにする際に電気分解が行われるため、電力を必要とする。
鉄鋼業でも「電炉」を用いて鉄を製造する場合は、電力を用いて熱を発生させる(テスト的には「鉄鋼業は石炭による還元で」としておいた方がよい)。
他にも化学肥料(化学的に合成された肥料)などでも製造過程で電力が使用される。

実際には火力発電などでも構わないが、地理のテスト対策としては水力発電と組み合わせておけばよい。特に近年は原油価格の高騰もあり、火力発電による電力はコスト負担の増加にも繋がるが、水資源が豊富な国や地域であれば、水力発電によって安定的に安価な電力が得られる。

ガーナではヴォルタ川に水力発電用にアコソンボダムを造り、周辺でアルミニウム工業がさかんである。
また、アメリカのシアトルは、豊富な水資源を活用したアルミニウム工業や、航空機の製造などによって発展してきた。
(航空機の機体はジュラルミン。ジュラルミンはアルミニウムに銅などを加えて作った合金)

なお、日本の場合、水資源は豊富だが発電の割合としては火力が中心のため、意外と電力指向型工業には向いていない。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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