【質問】数学(高校):試行としての独立と、事象としての独立は厳密には区別が必要と聞いたのですが、どういうことですか?

〔質問〕
試行としての独立と、事象としての独立は厳密には区別が必要と聞いたのですが、どういうことですか?
〔回答〕
実際のところ、大学受験でネックになるほどのものでもないですが、一応、別物です。

先に結論として、誤解をおそれずにシンプルな形で整理すれば、
・独立な試行だとわかっている ⇒ P(A∩B) を P(A)×P(B) によって求められる
・結果的にたまたま P(A∩B)=P(A)×P(B) が成り立っていた ⇒ 事象として独立だった
という感じで、
因果関係の順番が逆になっているイメージです。

〔詳細〕
試行としての独立、つまり独立試行というのは、「ある行動の結果」が「他の行動の確率」に影響を与えない、というもので、
例えば、「コインを投げる」&「サイコロをふる」ということをするとき、細工がされていないのであれば、コインが表でも裏でも、サイコロの各目の出方は 1/6 のままです。
(コインで表が出たら、サイコロで1が出やすくなる、みたいなことはない)

このような場合、P(A∩B) は P(A)×P(B) によって計算できる、というものです。
 
 
一方、事象としての独立は、たまたま P(A∩B)=P(A)×P(B) になっていた、という場合のことです。
例えば、

風邪健康
1組122840
2組184260
3070100

ということがあったとして、
・事象A:1組である
・事象B:風邪をひいている
としたときに、

P(A) は、100人中40人ですので、40/100 で、2/5 という確率、
P(B) は、100人中30人ですので、30/100 で、3/10 という確率になります。

一方、P(A∩B) は「全体に占める、『1組かつ風邪をひいている』確率」ですので、12/100(=3/25)となりますが、
このとき、たまたま (2/5)×(3/10)=(3/25) が成り立っています。

このような場合、事象Aと事象Bは(事象として)独立、と言います。
(独立でないケースはこちらを参照してください)

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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