〔質問〕 確率の「独立」とはどういう意味ですか? |
〔回答〕 まず、先に結論としては、P(A)×P(B)=P(A∩B) が成り立つとき、事象Aと事象Bは独立と言います。 例えば、P(A)=1/5, P(B)=1/2, P(A∩B)=1/10 になっているようなケースの時です。 意味合いや詳細については下記を参照してください。 |
例えば、状況1として、
風邪 | 健康 | 計 | |
1組 | 12 | 28 | 40 |
2組 | 18 | 42 | 60 |
計 | 30 | 70 | 100 |
ということがあったとします。
・事象A:1組である
・事象B:風邪をひいている
としたときに、
P(A) については、100人中40人ですので、40/100 で、2/5 という確率になり、
P(B) については、100人中30人ですので、30/100 で、3/10 という確率になります。
一方、P(A∩B) は「全体に占める、『1組かつ風邪をひいている』確率」ですので、12/100(=3/25)となります。
このとき、(2/5)×(3/10)=(3/25) が成り立っていますので、この状況1においては事象Aと事象Bは独立という扱いになります。
一方、状況2として、
風邪 | 健康 | 計 | |
1組 | 16 | 24 | 40 |
2組 | 14 | 46 | 60 |
計 | 30 | 70 | 100 |
ということがあったとします。
このとき、
P(A)=40/100(=2/5)
P(B)=30/100(=3/10)
P(A∩B)=16/100(=4/25)
より、P(A)×P(B)≠P(A∩B)((2/5)×(3/10)≠(4/25))となっており、こういう場合は独立でない、ということになります。
意味合いについてですが、状況1を再度見てもらうと、
風邪 | 健康 | 計 | |
1組 | 12 | 28 | 40 |
2組 | 18 | 42 | 60 |
計 | 30 | 70 | 100 |
実は、このとき、偶然にも「1組における風邪の割合」と「全体における風邪の割合」がともに3割になっています。
(2組についても3割)
単純化して言うと、「クラスがどちらであるか」ということと「風邪をひいているかどうか」は統計的には関係がなさそうだ、ということで、
こういう意味合いのことを指して、確率の分野では「独立」と呼んでいます。
ちなみに、条件付き確率の公式である P(A)×PA(B)=P(A∩B) はいかなるときも成り立つ式ですが、
独立のときは P(A)×P(B)=P(A∩B) も成り立っています。
つまり、独立のときに限れば、(この2式が同時に成り立つため)PA(B) と P(B) が同じ値になっているはず、ということですが、
具体的には、
PA(B) は「1組である条件下での風邪の確率」ですので、「40人に対する12人」のこと、
P(B) は「全体に占める、風邪の確率」ですので、「100人に対する30人」のこと、
ということで、たしかに両者の値は一致しています。
※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります |
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