【質問】理科(中学):シベリア気団と陸風・海風

〔質問〕
冬の季節風は海風、陸風のメカニズムと似ているそうなのですが、なぜなのかわかりません。
あと、夏の季節風とは似ていないのですか?
解説お願いします。
〔回答〕
まず、冒頭に気圧や風を考える上で大事な2点をおさえておきましょう。
 
(1)風は気圧の高い方から低い方へ向かって吹く
(高気圧→低気圧へ向かって吹き、気圧の差が大きいほど強い風が吹く)
(2)陸地の方が温まりやすく、冷えやすい(海の方が温まりにくく、冷えにくい)
 
(1)については、高気圧(下降気流が起こる所)というのは地面に向かって空気をグッと押さえつけるような感じになるため、逃げ場を失った空気が低気圧(上昇気流が起こる所)の方に向かって流れていく、というものです。

※(補足)低気圧・高気圧
地点Aと地点Bを比べて地点Aの方が暖かければ、こちらの空気の方が(暖められることによって)軽くなり、上に向かっていくことになります。これがいわゆる上昇気流の仕組みです(低気圧)。一方、上がった空気は宇宙空間に行くわけではなく、どこかで帰ってきます。それが別の地点Bということになり、空気が空から地表に戻ってきますので下降気流ということになります。空の方から圧力がかかるイメージですので、高気圧です。

 
その上で、海陸風と冬の気圧配置について考えます。
 
海陸風の仕組み
海陸風は「海から陸地に向かって吹く海風」「陸地から海に向かって吹く陸風」と1日のうちで変化する風のことです。
その原因は「海と陸地の温度差」で、「温度が高い方の気圧が低くなり、温度が低い方の気圧が高くなり」ます。
 
・日中
太陽により温められ、海より陸地の方が暖かいため、陸地の気圧は低い。(→海の方が気圧が高い)
よって、「海から陸地に向かって、海風が吹く」ことになります。
 
・夜間
陽が沈み温度が下がると、陸地より海の方が暖かいため、海の気圧は低い。(→陸地の方が気圧が高い)
よって、「陸地から海に向かって、陸風が吹く」ことになります。
 
 
日本付近の冬の気圧配置と季節風
大陸にある、冷たく乾燥したシベリア気団によって「シベリア高気圧」ができる。
(温度が下がった大陸に比べ)日本付近の海の方が暖かく、上昇気流が起こるため「低気圧」ができます。
よって、「西高東低の気圧配置」となり、「北西の季節風」が吹くことになります。
 
 
いずれも、「陸地の温度」「海の温度」を比べて風が吹く向きが決まります
その点で似ているということだと考えられます。

 

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