【質問】数学:「x=a+b, y=ab とする。a, b がすべての実数をとって変化するとき」という問題の、a, b の制限について

〔質問〕
「実数 a, b が b=2a を満たしながら変化するとき (a+b, ab) を座標とする点Pはどのような曲線を描くかその軌跡を求めて図示せよ」という問題では a が実数全体を動いてもその a に対応した実数 b の値が存在し、b も実数全体を動くので a と b の値の範囲に制限がないのに、
「実数 a, b について x=a+b, y=ab とする。a, b がすべての実数をとって変化するとき点 (x, y) が動く範囲をxy平面に図示せよ」という問題では前の問題と同じように a と b がすべての実数を動くのなら x も制限がないのに、なぜ a, b を2解にもつ2次方程式を考えるのですか?
〔回答〕
まず、求める図形の x 座標については、(a, b がそれぞれ自由に値をとれるので) すべての実数値をとることができます。
例えば、a=10000, b=20000 なら、対応する x は 30000 ということになります。
 
問題はその相手となる y の方です。
x=a+b, y=ab としたときに、例えば (x, y)=(1, 4) となることが果たしてあるのかどうか、ということです。x=1 の方だけであれば何とでも設定することができますが、同時に y=4 となっていなければなりません。
(「制限」ということで言うと、この箇所でそれが発生しています。つまり、x は自由に設定できますが、y の方は対応するものに限定されてしまいます)
 
このとき、具体的に (x, y)=(1, 4) となる (a, b) を求めようとすると、a+b=1, ab=4 ですから、解と係数の関係から a, b は方程式 t2-t+4=0 の解によって得られることになります。ただ、実際に計算してみると、実数解なし、ということになります。
つまり、a+b=1, ab=4 を同時に満たす a, b がそもそも存在しない、ということで、逆の言い方をすれば、どう頑張って a, b の値を定めても、a+b=1, ab=4 になることはない。ということです。

 

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