〔質問〕 化学反応式の数合わせのやり方のコツを教えてください! あれは理科が苦手な人は暗記でしかできませんか?全部暗記とまではいかなくても、分子の組み合わせなどは覚えた方がいいですか? コツや簡単なやり方などを教えてください。 |
〔回答〕 化学反応式を書くためには、すべてを暗記する必要はありません。 暗記すべきことは、 (1)「反応前と反応後の物質(何が、何になるのか)」 (2)「その反応に出てくる物質の化学式」 のところです。 化学反応式の数合わせについては、「反応前後で原子の数が変化しないように、原子1種類ずつ調整」していくことで、丸々暗記する必要はなくなります。 (一旦、アバウトに式を書いてみて、その後、原子1種類ずつ調整していく。複雑な場合は係数を文字でおいて連立方程式を立てることもあります) |
〔具体例〕 例として、炭酸水素ナトリウムを加熱して分解する反応を表す場合を考えます。 (1)「反応前と反応後の物質(何が、何になるのか)」 「炭酸水素ナトリウムは、炭酸水素ナトリウム・二酸化炭素・水に分解される」ということは覚えてください (炭酸水素ナトリウム)→(炭酸ナトリウム)+(二酸化炭素)+(水) (2)「その反応に出てくる物質の化学式」 各物質の化学式は暗記してください。 ・炭酸水素ナトリウム:NaHCO3 ・炭酸ナトリウム:Na2CO3 ・二酸化炭素:CO2 ・水:H2O これらの化学式を使って化学反応式の「もと」(未完成の状態)を書くと、 NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O となるので、あとは「→」の左右で「各原子の数が等しくなるように調整」します(反応前後で、原子の種類と数は変わらないため)。 これについては、やみくもに進めるというよりは、まず、どれか1つの原子に注目して数を揃えていくのがお勧めです。 具体的に、先程の式の状態では、各原子の数は、 [左辺]Na:1, H:1, C:1, O:3 [右辺]Na:2, H:2, C:2, O:6 となっていて、数が一致していません。 ここで、例えば Na 原子に注目して(他の原子に注目しても構いません)、この数が一致するように、「NaHCO3」を2組に変えてみます([左辺]を 2 NaHCO3 とする)。 すると、 [左辺]Na:2, H:2, C:2, O:6 [右辺]Na:2, H:2, C:2, O:6 となり等しくなります。 (※ 今回は一気に2倍すれば答えになりましたが、反応前・反応後ともに物質が2種類以上の場合はこうはいきませんので、極力「まず、どれか1種類に注目する」クセをつけてください) よって、 2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O という形になり、完成です。 係数合わせの練習は必要ですが、中学生で習う化学反応式の数は少ないので少しずつ覚えていけると思います。 |
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