【質問】数学Ⅱ:共役な複素数も方程式の解になる理由(係数が実数の方程式)

〔質問〕
係数が実数の高次方程式で、虚数 a+bi がその解であるとき、その共役な複素数(a-bi)も解になるということの証明のやり方を教えてください。
〔回答〕
例えば、方程式 cx2+dx+e=0 について考えてみます。

今、x=a+bi の解であるならば、それを式に代入した「c(a+bi)2+d(a+bi)+e=0」が成り立つはずです。この式を条件式として、以下の式が成り立つことを示す。というのが方針です。
\[\ c\big( \overline{a+bi} \big) ^{2}+ d\big( \overline{a+bi} \big) +e=0 \]

(計算自体は x=a+bi でいくよりも x=z でいった方が楽です)
 
 
実際の解き方としては、まず条件式 c(a+bi)2+d(a+bi)+e=0 について、この両辺について「それぞれの共役な複素数をとる」という作業は問題なくできることです。ですので、
\[\ \overline{c(a+bi)^2+d(a+bi)+e}= \overline{0} \]
となります。

次に、これの計算ですが、共役な複素数の計算では「+部分」や「-部分」はふつうに分けることができます。ですので、
\[\ \overline{c(a+bi)^2}+\overline{d(a+bi)}+\overline{e}= \overline{0} \]
となります。

この次の段階として、
・ある実数の共役な複素数は、その実数のまま
・【[ある虚数のn乗]の共役な複素数】=【[ある虚数の共役な複素数]のn乗】(※注)
ということを利用すれば、求めたかった形になります。
 
 
※注
\[\ \overline{ z^{n} }=\overline{zzz \cdots z}=\overline{z} \cdot \overline{z} \cdot \overline{z} \cdots \overline{z}= \big( \overline{z} \big) ^{n} \]
(2段階目の分解は、(a+bi)×(c+di) などで試してもらえば、すぐに証明できると思います)

 

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