【質問】数学(命題):条件の否定

〔質問〕
条件「x>pなる全てのxに対してx>qならば、p≧qである」の否定が「p<qならば、あるxに対してx>pかつx≦qである」となるのはなぜですか?
〔回答〕
まず条件の否定ですが、基本的な知識を復習しておきましょう。
以下では否定を、⇔ の記号を使っています。
(実際の記号の意味とは異なりますのでご注意ください)
(1)a>b ⇔ a≦b
(2)あるx ⇔ すべてのx
(3)“A” ならば “B” ⇔ “Bの否定” ならば “Aの否定”
 
今回の問題について、“A” ならば “B” に当てはめると、
“x>pなる全てのxに対してx>q” が “A” となり、
“p≧q” が “B” となります。
 
ですので、(3)を考えるに当たっての “Bの否定” は “p<q” です。
同様に “Aの否定” は、“x>pなるあるxに対してx≦q” となり、これを言い換えると、“あるxに対してx>pかつx≦qである” となります。
 
ここで注意したいのが、x>pが、x≦pになっていないことです。
x>pという条件は、問題の前提条件であるのでx≦pとしてはいけないということです。
なぜなら、Aの “x>pなる全てのxに対してx>q” は、“x>pとする。そのような全てのxに対してx>q”と言い換えることができますからね。
 
(※ これは、「x,yが実数とする。x=2かつy≠5」の否定は「x,yが実数とする。x≠2またはy=5」とする理由と同じです。x,yが実数とするという条件は問題の前提条件であり、つまり実数の世界のみで考えるという断りです)

 

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