一つの考え方をご紹介します。
国語(現代文)が苦手な人は、自分の読解力の無さを嘆くことが多いと思います。その場合のアドバイス。
自分が劣っているとばかり考えるのではなく、たまには、「そもそもヘタクソな文章が出題されているのではないか」と疑ってみるというものです。
よくよく考えてみてください。
誰に対しても主張が明確に伝わるような、上手な文章がテストで出ると思いますか?
【本文】私の主張は…です。その理由は、まず…、次に…、そして…です。
【問】 筆者の主張と、その理由を3つ挙げろ。
→ 全員満点です。
テストに出ている以上、程度の差はあれ何を書いているのかよくわからない文章なのです。
(1)読み方
「ヘタクソな文章」という考え方をすると、本文の読み方も変えた方がいいですよね。勝手に自分でスッキリさせて読み直せばいいのです。
・主語と述語だけをまず確認する
文の骨格ですから、本来この2語を見ただけで内容の大筋が掴めるはずなのです。(主部・述部だと、余分な修飾語句が加わって冗長になりがちです。)
・長い1文は、2~3つの文に分割する(重文や複文を、単文にする)
言いたいことを理解する(または伝える)なら文は短く・シンプルな方がいいです。
接続詞を無駄に多用している文章は非常に読みにくいです。時には従属節を消してしまってもいいかもしれません。
これらのことって、英語の長文読解や、英作文ではきちんとしているはずです。
現代文のときでも同じことをすれば、読解力は上がっていくと思います。
(2)解答の作り方
「問」を作っている人(出題者)は、「筆者の言いたいことがよくわからないので、バカな私でも理解できるように説明してくれませんか?」と聞いてきている、のだと思ってください。
ですので、小学生にもわかるように、難解な日本語を簡単な日本語に翻訳すればいいのです。
(1)の読み方の段階で、かなり贅肉が落ちたシンプルな文に仕上がっているはずです。
あと、意外と見落としがちなのが、質問にきちんと答えるということです。
「要は何?」と聞かれているのに、自分の意見を書いたりしたら0点です。
もちろん実際には基礎知識なども必要なので口で言うほど簡単ではないですが、こういう発想もあるんだなと思ってもらえたら嬉しいです。
というわけで、これからは「私の文章が●●大学の入試に出題されました。」って自慢してる人がいたら、「私はなかなか読みにくい難解な文章を書きました。」と言ってるのだと思うようにしてください。