お子さんの勉強に対して、本人以上に保護者の方々の方が心配しておられるケースがよくあります。言いたくはないけど、ついつい「勉強してるの?」「このままの成績で大丈夫?」など言ってしまいますよね?
いつも生徒と接していると、やはり生徒本人には保護者の方の言葉というものが一番影響を与えていると実感します。保護者の方以上に先生の言葉が影響を与えるというケースは少ないです。
ここでは保護者の方に一番知っておいてもらいたい「成績が上がるのには時間がかかる」ということをお伝えしようと思います。
<大学受験は暗記だけでは合格できない>
「点数を上げるためにはたくさん覚えることが重要」だと考えている場合は注意が必要です。
たしかにたくさん覚えなければなりません。ですがそれだけではだめなのです。大学入試ではレベルが上がるほど「理解力」が問われます。つまり大学は「単純な暗記はだめですよ」「考えて問題を解いていますか?」といったことを受験生に求めているのです。つまり全教科、全単元を理解した上で必要なことを覚えなければならないのです。
きちんと指導をしている塾ほど「理解をさせる授業」をしています。その結果、生徒に①理解する重要性を伝え、②単元を理解させ、③定着のための演習をする、という流れになります。つまり、③までやり終えて初めて点数化するのです。成績が上がるには時間がかかる仕組みになっているのです。
よく、塾に通わせて1ヶ月経っても全然子どもの成績が上がっていない、と不安を口にしてしまう保護者の方がいますが、本当に成績を上げるためには最低3ヶ月は必要なのです。逆に「1ヶ月で成績を上げます」などと掲げている塾は怪しんだ方がいいです。1ヶ月で試験に出るようなものを単純に暗記させると短期的には成績が上がるのですが、理解が伴っていないので、応用が利かなくなります。その結果、入試問題を解くようになりだす秋ごろになって「理解していない」ことに子どもたちは気付くのですが、それだともう手遅れなのです。
我々講師も成績が上がるのには時間がかかるというのは分かっているのですが、生徒を見ていて本当に上がるか不安になることはよくあります。まして保護者の方の立場であれば、我々が抱く不安の何倍もの不安を抱くと思います。しかし、勉強をやり始めた子ども本人はそれ以上に「ちゃんと成績があがるんだろうか」「やっても自分はダメなんじゃないか」などと不安になっています。今はじっと見守ってあげる時期だと自分に言い聞かせ、勉強を煽ってしまうような発言を極力しないようにしてあげてください。
逆に「少しは勉強頑張るようになったね」「難しい問題やってるんやね」「あんたはちゃんとやったらできるようになる」などとポジティブな言葉をかけてあげてほしいと思います。子ども自身が不安になっている時、保護者の方から褒められることが何よりのモチベーションになります。