人の脳は起きている間ずっと同じように働いているわけではありません。時間帯によって、またその日の活動によって、頭の働きは様々です。ということは、勉強に適した時間がある可能性があるということです。
もっと細かく言えば、する勉強の内容によって適した時間があるかもしれないのです。
<起きたての脳は論理的>
朝起きると「頭がぼーっとする」としているので、一番頭が働かなさそうな印象がありますが、実は起きた後、朝食を食べる前が一番論理的に働くのです。それは、寝ている間に昨日頭に詰め込んだ情報を整理しているので、起きたての脳が一番整理された状態にあるためです。掃除する前の部屋と掃除した後の部屋を想像してくれれば納得できるでしょう。各科目とも難度の高い問題があると思いますが、論理的に考えることができる状態にある朝にやるのが一番いいのです。難度の高い問題ほど夜遅くにやっている人が多いかもしれませんが、それはあまりよくありません。
「朝飯前」という言葉があります。これは「きわめて簡単なこと」という意味で使われますが、昔朝ごはんを食べる前に問題に向き合うと、昨晩できなかった同じ問題が朝ならできたという経験をした人がたくさんおり、同じ問題でも朝の方が簡単に感じられるといったことから、この言葉ができたという説もあるのです。
学校の授業以外に朝に勉強なんてしたことがない人は多いと思いますが、かなり損をしていることになります。(朝早くから図書室などで勉強をしている同級生はいませんか?そういう人はかなりの確率で成績が良いと思いますよ。)
いきなり朝4時に起きて、そこから7時まで3時間勉強してやるぞー!と意気込んでもそんなのはたぶん1日で終わります。最初は5分でもいいです。簡単な文法問題を2~3題解いたり、基本的な数学の問題を1題解く程度でいいです。まずは朝勉強するという習慣をつけるのが大切です。そして慣れてきたら徐々に勉強時間を増やしましょう。
<暗記は寝る前>
暗記は寝る前が一番いいという話は聞いたことがある人も多いでしょう。そもそも覚えたことを脳に定着させるためには睡眠が必要だからです。
別の理由としては、暗記は脳にとって一番単純な作業。つまり寝る前は、論理的な難しい問題を解く余裕がそもそもないので、脳への負担が少ない暗記をしたほうが良いのです。寝る前の30分は必ず暗記系の勉強をするといった1日の勉強プランを立てましょう。
<昼寝を活用する>
みなさん一日の生活を振り返ってみてください。例えば現役の受験生は、朝から学校の授業を夕方近くまで受け、その後に塾の授業を受け、さらに帰ってからも勉強をしているでしょう。つまり、一日の間に本当にたくさんの情報が頭に入ってきています。夜なんかになると頭は知らなかった情報でいっぱいになって、脳の働きが低下します。特に一日の後半の授業になればなるほど、眠くなってしまったりしませんか?それはもう頭が限界なのです。(部活の練習で体が疲れているから眠いとか、単純に勉強したくないといった原因かもしれませんが)
寝ることで頭は整理されます。午後の授業を受ける前に午前中に頭に入ってきた情報を整理させるために、また夜塾の授業を受ける前に午後に頭に入ってきた情報を整理させるために、すこしの睡眠をするべきです(30分以上寝ることは厳禁!)座ったまま目を閉じるだけでも十分です。一度頭を整理させることで脳の働きは回復するので、今までと同じ勉強をしていても、効果は上がります。