野球と数学(統計)のお話です。
野球で打者の成績を図る数字として「打率」というものがあります。
簡単に言うと、ヒットを打てる確率のことです。3回に1回にヒットを打てれば(打率は3割3分3厘)非常に優秀な打者と評価されます。
さて、この打率のランキングを出す際に、「規定打席」という条件があります。バッターボックスに「ある程度」立っていないといけない、というものです。プロ野球なら「試合数×3.1」で、約450打席(≠打数)での打率を競うことになります。
なぜ、こういうものがあるのか。
それは、これくらいの打席数での打率(成績)を見れば、幸運や不運もならされて、その選手の本当の実力値に近づいていくと思われるからです。
逆に、1打席だけ登場してヒットを打って打率が10割だったとしても、それは「ただの偶然かもしれない」ということです。
詳しいことは大学に入った後で「統計学」で勉強してみてください。
さて、「幸運や不運もならされて」、「本当の実力値に近づいていく」ということに関連して、偶然は何回も続かないという考え方をご紹介しておきたいと思います。
1回だけの失敗なら、ただの不運である可能性もあります。
ただ、何回も続くとなると、もはやそれは不運ではなく「必然」かもしれないのです。
勉強だけでなく部活でも、例えばよく怪我をする場合、それは不運によるものとも限らず、実は怪我を防ぐ意識・注意が足りていないことによる必然の出来事かもしれません。
ですので、「不運が続いているな」と思ったら、それは何かの合図だと思って、早めに原因を分析することをおススメしたいと思います。
そして、おそらくこれだろうと思う原因(仮説)がわかれば、対策を立てて行動に移し、当初予想していた結果と実際の結果の違いを検証して、再度対策を練る、というパターンを身に着けてみてください。
一方、「幸運が続けばそれは必然」ということも言えると思います。
自分でも気づかないうちに実力が備わっているというケースもやはりありますので、筆者自身もこの考え方は別に間違っていないと思います。
ただし、注意してほしいのが、「スランプに陥った時の対策」です。
よくわからないままにいい成績が続いていた場合、一旦壁にぶつかった時にどうしていいかわからない、という人が結構多くいます。 好調だった要因がわからないので元に戻す方法もわからない、というものです。
ですので、そういったことに陥らないためにも、好調な時でもその要因分析をしておく、というのは実は大事なことなのです。
不調の場合でも好調の場合でも、いちいち原因を分析することは、面倒くさいですし、時にはつらい現実を目の当たりにすることもあります。
ただ、もし皆さんがより成長していきたいと考えるのであれば、ぜひトライしてみてください。
そうすれば、数年間にわたって「首位打者」を獲ることだって不可能ではなくなると思います。