質問
特定の化学反応が捗るように促すことを「触媒」というのはわかります。
つまり言い換えれば、「化学反応そのものに関わる」のではなく、「その特定の化学反応が別の反応になるように早める」のが「触媒」ですよね?
ここで、質問なのですが、とある実験の図では、でんぷん溶液の入った瓶がありました。
これを ① 触媒がない時、長時間加熱しても。。。結果は分解しない
そして ② 強い酸がある時、長時間加熱したら。。。グルコースに分解する
と載ってありました。
「触媒」そのものがなかったら「反応しない」ということは、「触媒」そのものも化学反応を促進させているのではなく、化学反応そのものに携わっているということではないのでしょうか?
あるいは、① はもっとだいぶ時間を置いたら(日数、年数単位で)しっかりと反応するのでしょうか?
触媒は「化学反応そのものに携わっているのか」あるいは「特定の化学反応は何もなくても別のものに反応する。それを早めているのが触媒」なのか。この辺りのことがわかりません
〔回答〕
まず結論からお話しすると、質問の、
① 触媒がない場合:分解しない
② 触媒がある場合:分解する
については、
① の場合も、具体的な時間は分かりませんが、少しずつ少しずつ分解されるはずです。
② の場合は、触媒のはたらきにより、観察している間に分解がどんどん進むために分解する、という結果になったはずです。
(分解の様子が、はっきりと見て取れるか、見えないくらい小さな変化か、という話です)
詳細
まず、触媒とは、「化学反応前後ではその物質自身は変化しないが、ある化学反応の速度を変える役割をする物質」のことです。
つまり、「反応速度を変えるだけ」のはたらきであり、「別の反応を起こすものではない」ことに注意しましょう。
触媒のはたらきを理解するためには、活性化エネルギーについて知る必要があります。
「化学反応が進行する」ために必要なエネルギーを活性化エネルギーといいます。
ある化学反応が進行するために必要な「活性化エネルギーの大きさ」が、
・大きい場合:反応が中々進まない(ハードルが高く、進みにくい)
・小さい場合:反応が起こりやすい(ハードルが低く、進みやすい)
と言えます。
この「必要な活性化エネルギーの大きさを小さくする」のが、触媒の役割です。
触媒がないと、(ハードルが高いため)化学反応が進まないものが、
触媒があると、(ハードルが低くなり)化学反応が進んでいくことになります。
つまり、触媒があると、
化学反応のために必要な活性化エネルギーが小さくなるため、化学反応の速度が速くなる。
このとき、触媒は活性化エネルギーを小さくしているだけなので、反応には関わらず、変化しません。
新たな反応を引き起こしているのではなく、反応を起こしやすくしているだけです。
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