〔質問〕 月食が起こる日の日の入り後すぐには月は東の空に見えるのですが、月食が起こる時、月は満月なので地球から見て西の空にあると思うのですが、東の空に見えるのはなぜですか? |
〔回答〕 月食は「月が地球の影に入ってしまう」ことで起こり、「太陽→地球→月」という順で一直線に並んでおく必要があります。 これを観察者の位置から見ると、太陽が西の空に沈んでいく夕方には、月は東の空の方に見えることになります。その後、時間の経過とともに、月が見える方角は変化していきます。 |
詳細
月食が起こるのは、「月が地球の影に入ってしまう」からです。
ということは、太陽を内側として、「太陽 → 地球 → 月」と一直線に並ぶときという条件になります。(そのため、必然的に、月は満月となる位置にある)
この条件がそろうのは、年におよそ2回前後で(年によって変わる)、地球と月の公転周期に影響されます。
※ 満月の日は必ず月食が起こるわけではないことに注意。実際には、地球が太陽の周りを回る面と、月が地球の周りを回る面はズレているので、すべてが完全に一直線上に並ぶのは珍しい。
また、どちらの方角に見えるかについてですが、これは地球の自転に影響されます。
満月の日、月の公転による月の位置は、地球をはさんで太陽と反対側にあります。
(そのため、欠けずに見える→満月)
ということは観察者の位置から見ると、太陽が西の空に沈んでいく夕方、月は東の空の方に見えます。(観察者をはさんで反対側)
時間を、次の日の朝まで進めてみると、
〔夕 方〕 太陽:西 月:東
〔真夜中〕 太陽:(北) 月:南
〔 朝 〕 太陽:東 月:西
という位置関係になり、月の見える方角が一日のうちでも変わっています。
※ 北極側から見た図。地球上では北極方向が「北」なので、赤矢印方向(青円の中心方向)が「北」となり、それを基準に、東・西・南が決まる |
これは、地球が一日に一回自転をしているからで、そのため、太陽や月が一日に一回地球の周りを回っているように「見える」わけです。
実際は、地球が「自分でまわっている」だけなのです(自転している)
質問に戻りますが、
「満月の日、月は地球から見て西側・東側」という考えは、そもそも、そうは言い切れないものなのです。
方角は、地球上で北極がある側を北として、位置関係をはかるためのもので、その尺度を地球の外側から考えることはできません。
上で説明したように、地球上で観察者の位置を固定したうえで、太陽や月の見える位置について考えましょう。
アンケートへのご協力をお願いします(所要2~3分) |
---|
「将来設計・進路」に関するアンケートを実施しています。ご協力いただける方はこちらよりお願いします (Googleフォームにアクセスします) |