〔質問〕 水の電気分解で、「純粋な水はほとんど電流を通さないので、少量の水酸化ナトリウムを加えて分解する」と習いました。これでは、「水の電気分解」ではなく、「水酸化ナトリウム水溶液の電気分解」となってしまいませんか? |
〔回答〕 水酸化ナトリウムを加えてから電気分解をしても、水酸化ナトリウム自体には変化は起こりません。 つまり、水酸化ナトリウムは「触媒のようなはたらき」をしているということです。 このことから、「水が電気分解されて、水素と酸素になった」と言えるわけです。 |
〔補足〕 詳しくは高校範囲になりますが、まず、電気分解自体が起きるには、水溶液の部分も含めた全体として「回路」ができておく必要があります。水だけだとその効果が弱いため、水酸化ナトリウムの力を借ります(電離することでイオン(Na+とOH-)が生じ、それが回路を形成することに繋がる)。 次に、水酸化ナトリウム自体が電気分解に影響をしないかどうかですが、Na+ はイオンのままでいようという性質があり(イオン化傾向が大きい)、その影響で電気分解の反応には参加しません。一方、OH- については、そもそも水の中にもある物質で、単に容器内でこれが増えただけということになります。 よって、水の電気分解の邪魔をすることなく、かつ、回路の形成を手伝うことができる、ということです。 なお、水を電気分解したときに、発生する水素と酸素の体積比は、水素:酸素=2:1 となることも覚えておきましょう。 |
※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります |
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