〔質問〕 絶対値を外すことについて、不等式の場合であれば定数でなくても簡便法を使ってもいいのですか? |
〔回答〕 原則として、絶対値記号は「中身の正負で場合分け」した方がいいですが、 結論から言えば、不等式なのであれば、 ・| f(x) |<g(x) を「-g(x)<f(x)<g(x) 」 ・| f(x) |>g(x) を「 f(x)<-g(x) または g(x)<f(x) 」 とすることは可能です (≦, ≧ の場合も同様) ですので、例えば、|2x-3|≦x について、 -x≦2x-3≦x として、 ・前側 -x≦2x-3 については、1≦x ・後側 2x-3≦x については、x≦3 となり、合わせて 1≦x≦3 |2x-3|≧x について、 2x-3≦-x または x≦2x-3 として、 答えとして x≦1 または 3≦x とすることができます ただし、方程式の場合には、相手が定数でないと簡便法は使えない、ということがありますので、 原則として簡便法は「相手が定数のときにだけ」というようにしておいた方が無難です (条件が揃えばできなくはないが、変に覚えることが増える) |
※ なお、理由としては、 (1)| f(x) |<g(x) ① f(x)≧0 のとき 絶対値記号を外すと(0≦)f(x)<g(x) で、 かつ(0<g(x) より)-g(x)<0 なので、-g(x)<0≦f(x)<g(x) となり、-g(x)<f(x)<g(x) という大小関係が成立 ② f(x)<0 のとき 絶対値記号を外すと -f(x)<g(x) で、移項すると -g(x)<f(x)。 一方、f(x) は負で、| f(x) | は正なので f(x)<| f(x) |。 また、そもそも | f(x) |<g(x) なので、 よって、-g(x)<f(x)<| f(x) |<g(x) という大小関係になり、-g(x)<f(x)<g(x) という大小関係が成立 ①, ② より、f(x) の正負に寄らず、-g(x)<f(x)<g(x) という大小関係になる (2)| f(x) |>g(x) ① f(x)≧0 のとき、絶対値記号を外すと f(x)>g(x)。 ② f(x)<0 のとき、絶対値記号を外すと -f(x)>g(x) で、両辺を-1倍すると f(x)<-g(x)。 よって、f(x)<-g(x) または g(x)<f(x) ただし、ものすごく端的に言えば、(2)は(1)の補集合に相当するので(「=」の部分は除く)、 答えとしても「(1)でないところ」ということになる |
アンケートへのご協力をお願いします(所要2~3分) |
---|
「将来設計・進路」に関するアンケートを実施しています。ご協力いただける方はこちらよりお願いします (Googleフォームにアクセスします) |