〔質問〕 円高と円安の違いがわかりません |
〔回答〕 基本的に国が違えば使われるお金の種類が違う、ということが出発点です。 日本では「円」、アメリカでは「ドル」という別物を使っています。 ヨーロッパでは通貨統合によって多くの国が同じ「ユーロ」ですが、それでも「円」や「ドル」ではありません。 そして、日本国内では基本的には「円」でしか売買ができず、他、同様にアメリカでは「ドル」でしか売買ができません。 そうした時の問題点が、「円」しか持っていない日本人が、アメリカで買い物をしたいときにどうするか、ということです。 アメリカでは「円」は通用しませんから、一旦「ドル」に変える必要があるのです。これがいわゆる為替(かわせ)と呼ばれる取引です。 このときの「円」と「ドル」の交換比率ですが、刻一刻と変化していきます。 その理由としては、自分(Aさん)が「円」を「ドル」に交換したいとき、それは同時に「ドル」を「円」に交換してもいいと思っている相手(Bさん)を見つけてこないといけないことが関係しています。 Bさんが「早く円を持ちたい」と考えていれば(Bさんにとって)少々割が悪くても取引に応じてくれるでしょうし、一方でBさんが「別にわざわざ円を手にしておかなくても…」と考えていれば好条件でないと取引に応じてくれないのです。 その結果、「ちょうど1か月前は、120円出さないと1ドルをもらえなかった」というのが、「今日は100円だけで1ドルと交換してもらえた」というようなことが起こるのです。 さて、これを踏まえて「円高」と「円安」のことですが、「円の価値」が「高まったのか」「低くなったのか」ということを指しています。 結論としては、 ・円高:「1ドル=120円」から「1ドル=100円」方向への変化(見た目の数字が小さくなる) ・円安:「1ドル=100円」から「1ドル=120円」方向への変化(数字が大きくなる) のことを指しますが、感覚的には「逆では?」と思うと思います。 ここで、例えば「リンゴ」のことを考えてみてください。 「リンゴ1個=120円」から「リンゴ1個=100円」になった場合、「リンゴが安くなった」って言うと思います。 それと同じで、「1ドル=120円」から「1ドル=100円」となった場合、それはあくまでも「1ドルが安くなった」ということで、「円が安くなったわけではない」ということに注意してください。 (為替では「円」と「ドル」のバランスを考えますので、ドル安は同時に円高を意味しています) また違う見方としては、「1ドル=120円」を変形すれば「1円=0.0083ドル」、「1ドル=100円」を変形すれば「1円=0.01ドル」ということになりますが、このとき、1円の価値は「0.0083ドル」から「0.01ドル」に上がっています。 円安についても同様に考えてもらったら結構です。とにかく、「円」と「ドル」の交換比率がどっち方向に変化しているのか、に注目してください。 |
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