英語:関係代名詞と関係副詞の共通点:両方とも「形容詞のカタマリ」

ほとんどの学校や塾では関係代名詞と関係副詞を別々の単元として扱っていると思います。筆者も文法の授業をする際には、関係代名詞を教えてから関係副詞を教えています。さらに大学入試で文法問題を解くことを目標にしている授業であれば関係代名詞と関係副詞の違いについて繰り返し指導していると思います。
しかし、これが原因で「関係代名詞と関係副詞は全く別物」という考え方を持っている人も多いのではないでしょうか。関係詞の単元はたしかに文法問題で頻出になっているのですが、英文読解でも頻出です。あくまでも関係詞を含む英文を正確に読めるようになることが最終目標なのです。

<共通点:形容詞のカタマリ>
関係詞を含む英文を正確に読めるようになるためには、関係代名詞と関係副詞の共通点を理解しておかなければなりません。つまり関係詞のカタマリは先行詞となる名詞を修飾する「形容詞のカタマリ」であることを理解しておかなければなりません。(文法的にも「形容詞節」と呼ばれます)

① Choose an English dictionary which is right for your level.
② I remember the day when I first met Takashi.

① では which is right for your level が an English dictionary を修飾している形容詞のカタマリであり(「あなたの力に合った」英語の辞書)、
② では when I first met Takashi が the day を修飾している形容詞のカタマリ(「私が初めてタカシに会った」日)なのです。

英文読解では「前→後」と英文を理解できるようになるためにも、関係詞のカタマリを、先行詞になっている名詞の「詳しい説明部分」として捉えるようにしましょう。
 
この考え方を身に付ければ、非制限用法の関係詞も同じような感覚で理解することができます。

③ She has two sons, who are studying abroad.
④ He said that she was ill, which was a lie.
⑤ They went to Rome, where they stayed.

③ では who are studying abroad が two sons の「説明部分」(その2人の息子は「外国で勉強している」)、
④ では which was a lie が she was ill の「説明部分」(彼女が病気であるのは「ウソであった」)、
⑤ では where they stayed が Rome の「説明部分」(ローマは「彼らが滞在した所」)と捉えることができます。

このように、文法問題を解く観点から上に挙げた例文を捉えると「関係代名詞」「関係副詞」「関係代名詞の非制限用法」「関係副詞の非制限用法」と4つの観点から考えなければいけなくなります。
しかし、多少の文法的な観点は無視してでも、結局は関係詞のカタマリは前に出てきた先行詞の「説明部分」だと理解することでシンプルに関係詞を捉えることができるようになり、読解力にも繋がるはずです。

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