【質問】化学(高校):化学式、組成式、分子式の違いはなんですか?

〔質問〕
化学式、組成式、分子式の違いはなんですか?
〔回答〕
「化学式」は各物質の構成の様子(元素の組み合わせ)を示したもので、その中の分類が「組成式」や「分子式」などに当たります。
また、「分子式」は切れ目がある物質(分子)、「組成式」は切れ目のない物質(結晶)を表すのに用いる化学式です。
〔補足〕
物質は結合の仕方で、「切れ目があるもの」(分子)と、「切れ目がないもの」(結晶)に分かれます。
 
共有結合でできている物質(非金属元素どうしの結合)は基本的に「分子」の形状をしています。
分子はそれぞれ独立していますから、例えば水の場合は「H2O」というように構成元素を全部書いてしまうわけです。
 
一方で、イオン結合(金属元素と非金属元素の結合)と、金属結合(金属元素どうしの結合)ではこういうわけにはいきません。
イオン結合でできている物質は、「陽イオン」と「陰イオン」がダーーーーっとひきつけあっています。複数の磁石を箱などに入れた時に、全部がくっついてしまうイメージです。
また金属結合の物質も複数の元素が集まってできています。例えば、「金」の延べ棒は(不純物がなければ)すべて Au という元素が大量に結びついてできています。

そうしたときに、最小単位だけ抜き取って表現しよう!としたのが「組成式」です。
実際に、塩化ナトリウムをいくらかとったとき、1つの塊だからといって Na10000000Cl10000000 と書くわけにもいきません(そもそも正確に何個あるのか不明)。ですので、10000000:10000000=1:1 なので、NaCl という書き方をしているわけです。

 
なお、少し発展編ですが、共有結合のものがすべて分子とは限りません。
二酸化ケイ素などのように、共有結合で結晶を作る場合があり、この場合は「組成式」で表現します。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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