定義
・年降水量が「乾燥限界値」を下回る(乾燥限界値未満)。
・記号として「B」が割り当てられる。
※ 暑いかどうかは関係ない。とにかく降水量が少ない所
※ 乾燥限界値:場所ごとに以下の計算式で計算
(r:乾燥限界値(mm)、t:年平均気温(℃))
① 冬に乾季(w) | r=20(t+14) 「冬に乾季=夏に降雨」なので、せっかく雨が降っても、(夏は温度が高いので)蒸発する量が比較的多くなる。植生という観点では、② や ③ よりも多めに降っておいてもらわないといけない。 |
② 年中湿潤(f) | r=20(t+7) ① と ③ の中間 |
③ 夏に乾季(s) | r=20t 「夏に乾季=冬に降雨」。気温が低い冬に降るため蒸発量が少なく、7 とか 14 とかを加える必要がない、と覚える。 |
実際に、例えば東京(年中降雨アリ(②)で、年平均約15℃)で計算すると、r=20(15+7)=440mm となる。一方、年降水量は約1500mm で、はるかに超えているので、B 気候には区分されない。
この乾燥限界値と実際の降水量を比較して、2つの気候に分類される。
BW | 砂漠気候 | 年降水量:乾燥限界値の半分未満 |
BS | ステップ気候 | 年降水量:乾燥限界値の半分以上、乾燥限界値未満 |
例えば、乾燥限界値が440mmと計算される所で、実際の降水量が220mm未満であればBW、220mm以上・440mm未満であればBSとなる。
要は、マジに少なければBW、少ないなりに多少は降るならBS
小分類
砂漠気候(BW)
気温 | (一概に言えない) |
降水量 | 乾燥限界値の半分未満。まれに降雨し、ワジ(枯れ川)を形成 |
植生 | 基本的にはないが、耐乾性のサボテンなどが生えることもある。また、オアシスや外来河川(湿潤地域から乾燥地域に流れる河川)の流域であれば植物も育つ |
土壌 | 砂漠土(アルカリ性) |
分布 | 中緯度地域、沖合に寒流が流れる地域、山脈の風下側、大陸内陸部 (※ 詳細はこちら) |
ステップ気候(BS)
気温 | (一概に言えない) |
降水量 | 乾燥限界値~その半分の間(0.5倍以上1倍未満)。年降水量250~500mm であることが多く、小麦の栽培地域にもなりやすい |
植生 | 主に短草草原 |
土壌 | 黒土(こくど。チェルノーゼム)や栗色土。草が生えるため、肥沃な土地となりやすい(腐葉土のイメージ) |
分布 | 砂漠気候の外側。グレートプレーンズ(アメリカ)、乾燥パンパ |