〔質問〕 土倉と惣と株仲間の違いがわかりません。 |
〔回答〕 ・土倉:鎌倉時代・室町時代における「金融業者」。高利貸し ・惣:鎌倉時代後期以降、百姓らが集まって形成された自立的な「村」のこと。惣村ともいう。 ・株仲間:江戸時代の商人や職人等の「同業者による団体」 |
「土倉」は「金融業者」です。現在でも「質(しち)」というのはありますが、担保となる物を預ける形でお金を貸し、利息を上乗せして返済してもらうという商売です。貨幣経済が進展していったことを背景に、こういう貨幣を扱って商売をする業者が登場してきました。
(高利貸しというのは、上乗せする利息が高い業者のことです)
「惣」または「惣村」は、百姓らが集まって形成された村落のことです。商売のための団体というものではなく、住居の集まりです。
それまでは住居はまばらに建てられていましたが、次第にまとまってきて集落を形成するようになりました。
「惣」では、水利用の配分や戦乱に対する自衛などが行われ、「一つのまとまり」として機能しました。「寄合」と呼ばれる会議も開かれ、この決議によって惣は運営されていました。
「株仲間」は、江戸時代の商人や職人等の「同業者による団体」です。時代としても土倉や惣とは異なります。
そもそも商売は同業者で協力した方が上手くいく(=高く売れる)傾向にあります。ただ、それだと一般の人たちが高く買わされて困りますので、ふつう規制が入ります。
この株仲間に関しても、もともと江戸幕府は承認していませんでした。ですが、運上や冥加と呼ばれる税金を納めることを条件にOKということになりました。こうして商売の独占権(=「株」と呼ばれた)を手にした同業者の集まり(=「仲間」と呼ばれた)が「株仲間」です。
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