〔質問〕

数学の各種技術に関して

1）「倍数条件」をなかなか覚えられないのですが何かコツなどはないでしょうか？

2）1）以外にも必ず大学入試で知っておいた方が良い「数の性質」はどんなものがあるでしょうか？

3）東大に入るような学生たちは「車のナンバーを見て倍数かどうか、割り切れるか」など考えて鍛えていると聞いたことがありますが何か日常で計算力を高めるためにしておくと良いことなどあれば教えてください

〔回答〕

1) 倍数条件に限らずですが、基本的には単純な暗記ではなく「原理」「証明」と関連付けて覚えてください。

３の倍数については証明ごと覚える（具体的にはこちら。９の倍数はこちら）、

２の倍数は、例えば 5486 という数を、5480＋6 と分けたときに、5480 部分は10の倍数なので偶数が確定するため、（全体としては）残りの１の位次第だから、
４の倍数・８の倍数も同様で、
４の倍数かどうかは、5400＋86 と分けたときに、5400 部分は４の倍数が確定するため、（全体としては）残りの下２桁分次第だから、
８の倍数かどうかは、5000＋486 と分けたときに、5000 部分は８の倍数が確定するため、（全体としては）残りの下３桁分次第だから、
という理由によるものです。

５の倍数についても同様です（5480と6に分ける）

その他の倍数については、実際にはあまり登場しませんし、そもそも、その都度実際に割り算をして確認すれば事足りますので、無理に覚える必要はないです。
 
 
2）これも倍数条件に限らず、出題される知識というのは全て問題集に載っていると思ってください。
言い換えると、１冊ずつ問題集を（何周も解いて）消化していけば必要な知識を網羅できますので、そのような勉強方法を採ってください。
 
 
3）計算方法の高め方ですが、こちらも問題集の反復で事足ります。
同じ問題で構いませんので、例えば因数分解の問題であっても、次に解くときはスピードが上がっている、という状態を目指せば構いません。

特に計算力については「時間をかければできるものを、短時間でできるようにする」という類のことですので、基本的には、反復練習の中で「意識的にしないといけなかったプロセスを、無意識レベルでできるようにする」という方向性で捉えてください。
例えば、x²＋6x＋5 の因数分解で、当初はいちいち「足したら6で、かけたら5になる２数か」と考えていたものを、（このステップは無意識的に処理して）「1と5か」と一気に思えるようなことです。

なお、東大志望者等の件ですが、あくまでも「そういう人もいる」という話です。
筆者自身の経験としても、暇つぶし程度にしたことはありますが、基本的には問題集を解く中で計算力を鍛えましたし、周りの同級生を見ても同様だと思います。