【質問】化学(高校):[H⁺]と[OH⁻]に反比例の関係があるのは何故か分かりません。

〔質問〕
[H⁺]と[OH⁻]に反比例の関係があるのは何故か分かりません。
〔回答〕
まず、水の電離に関しては、
① H2O → H+OH だけでなく、
② H2O ← H+OH という逆方向の反応も同時並行で起こります(水分子に戻る)。

これを踏まえた上で、
例えば、「同量の」水溶液Aと水溶液Bとで、

〔水溶液A〕
・H:150個
・OH:150個

〔水溶液B〕
・H:150個
・OH:300個

という状態だったとすると、
Bの方が(H にとって)OH を見つけやすいため、② の反応がより積極的に起こります。
 
 
その結果、例えば、

〔水溶液A〕
・H:100個
・OH:100個
(50個ずつが反応して水分子に)

〔水溶液B〕
・H:50個
・OH:200個
(100個ずつが反応が反応して水分子に)

みたいなことが起こります。

これは「個数(正確には濃度)の積が同じ」(この事例なら 10000)という状況なのですが、積が同じであれば「Bは、Aと比較して H は半分だが、OH は2倍」みたいな話になるため、実は「H と OH の出会いやすさが同等」ということを意味しています。

要は、そうなるまで B の方で ② の反応が積極的に起こる、ということです。
 
 
ということで、「[H] と [OH] の積が一定になるまで、② の反応が進む」ため、数式的には [H]×[OH] が一定値(具体的には 10-14)ということになり、
よって両者は反比例の関係にある、ということです。

〔補足〕
なお、① の反応も同時並行的に起こっています。
H と OH の総数が少なすぎるときは、① の反応によって追加されていき、最終的には「(濃度の積が)10-14」の所で釣り合います。

また、上記では個数の積が10000個になるように数値を設定しましたが、実際には ① とのバランスで値が決まります。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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