【質問】化学(高校):酢酸と水酸化ナトリウムの中和点について

〔質問〕
以下の問題で質問です
「食酢を正確に10.0mLとり, 器具Xに入れて水を加え,全量を 100mLとした。 このうすめた水溶液 200mLを器具Y を用いてコニカルビーカーにとり, 指示薬Zを加え、900×10^-2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定した。 中和点までに必要な水酸化ナトリウム水溶液の体積は16.0mLであった。 次の各問いに答えよ。
(2)指示薬Zは何か。 名称を記せ。 また, 中和点でどのように色が変化したか。」

で答えの解説が
(2) 中和点で生じた酢酸ナトリウム CH3COONa は, 弱酸と強塩基からなる塩なので, 加水分解してその水溶液は塩基性を示す。 したがって, 変色域が塩基性側にあるフェノールフタレインを用いる。
とあるのですが、これはただ単に加水分解関係なく、弱酸と強塩基の中和なので中和点が塩基性になるというのだという自分の認識は間違っているでしょうか?
〔回答〕
いえ、加水分解のことがあるので塩基性になる、という因果関係です。

中和点はあくまでも「酸と塩基が過不足なく反応する」箇所、言い換えると「水素イオンの数=水酸化物イオンの数」となる箇所、ということだけを指しますので、
もしも CH3COOH+NaOH → CH3COONa+H2O の反応だけで終わるのであれば、
H も OH もありませんから(厳密には水自身の電離の分はある)、中和点におけるpHは7になります。

ただ、その後、塩である CH3COONa が電離した上で、
CH3COO+H2O → CH3COOH+OH が起こることで OH が残る、という原理です。
 
 
ですので、「弱酸と強塩基の中和なので中和点が塩基性」というのは決して間違えていませんが、
より正確に言えば、「弱酸と強塩基の中和なので中和点では最終的には塩基性になっている」という感じです。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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