【質問】国語:「下りる」という単語はなぜ自動詞なのですか

〔質問〕

「下りる」という単語はなぜ自動詞なのですか。
動詞の前に「~を」という目的語を入れることができれば他動詞だと聞きました。
例えば「私は階段を下りた」という文を作ることができるのに、「下りる」が自動詞である理由を教えていただきたいです。

〔回答〕

結論としては、相手側ではなく主語側に変化が生じているためです。
(相手側に作用するのであれば他動詞)

今回の場合、たしかに「~を」だけに注目すれば他動詞のように見えますが、
実際の状況を考えると、「私は階段を下りた」ことによって、
・「私」側には(位置が変わったという点で)変化が見られますが、
・「階段」側には(多少汚したとかの屁理屈を除けば)影響を及ぼしていません。
つまり、あくまでも主語側の動き・変化について述べたものになっており、この場合は自動詞ということになります。

一方、「下ろす」であれば、上にあった物が下に移るということで「物」側に作用を与えたことになり、他動詞ということになります。
 
 
※ あと、もしかしたら例外があるかもしれませんが、日本語でも自動詞では受け身は作れないはずです。
今回の例文の場合、「階段」を主語にした場合は「(工事とかで)階段は下ろされた」という文になりますが、この「下ろされた」は「下りる」ではなく「下ろす」に対して助動詞が加わったものになります。
(「下りる」に対する受け身が作れていない)

〔補足〕

英語の場合は「目的語の有無」と「自動詞か他動詞か」は完全に対応しますが、日本語の場合はその辺りがややあいまいなため、上記のような「自動詞と他動詞の本来の意味合い」や「受け身の可否」によって判断する必要があります。
(つまり、日本語の場合は「『~を』が入る場合がある」だけでは判断が難しい)

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
アンケートへのご協力をお願いします(所要2~3分)
「将来設計・進路」に関するアンケートを実施しています。ご協力いただける方はこちらよりお願いします
(Googleフォームにアクセスします)

当サイト及びアプリは、上記の企業様のご協力、及び、広告収入により、無料で提供されています