【質問】化学:イオン結晶、金属結晶、分子結晶に関して、「融点・沸点の低いものを選ぶ」という問題の考え方がわかりません

〔質問〕
イオン結晶、金属結晶、分子結晶に関して、「融点・沸点の低いものを選ぶ」という問題の考え方がわかりません
〔回答〕
まず、「融点・沸点の低いもの」というのは、「より液体や気体になりやすい」に読み替えればいいです。

「液体や気体になる」ということについては「粒子同士が離れる」ということを意味しますが、
結合の強さの順として「共有結合>イオン結合>金属結合>>>分子間力」であることを確認してもらった上で、

① イオン結晶や金属結晶をバラバラにしようと思えば、イオン結合または金属結合を切らないといけないため、相当なエネルギーが必要(=融点や沸点が高い)ということになり、

② 分子結晶の場合は、弱い分子間力さえ切れば分子と分子は離れるため、エネルギーはさほどいらない(=融点や沸点は低い)

ということになります。
現に、塩化ナトリウムや鉄などはかなり加熱してもまだまだドロドロの液体ですが、液体窒素などはあっさりと気体になります。
 
 
次に、分子結晶同士の比較については、分子量の小さい分子の方が融点・沸点は低くなります。
これは、分子量が小さいほどお互いに働く分子間力が小さくなるため、比較的小さいエネルギーを与えるだけでお互いにバラバラになるためです。

〔補足〕
(補足1)
分子結晶の件については「共有結合を切って、原子にする」という意味ではありません。
窒素分子Aや窒素分子Bとかがバラバラに存在するだけで、それが気体としての窒素(N2)になっています。
(分子と分子を離すのであって、原子と原子を離すのではない)

(補足2)
金属結晶とイオン結晶の融点・沸点については、電子の個数なども関わってきますので、一概なことが言えません。
実際には金属結晶の方が幅が広く、融点・沸点が比較的低い物質もあれば、かなり高い物質もあります。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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