生物基礎:血糖値の調節

<ポイント>
・ヒトの血液中に含まれるグルコースを血糖といい、それを示す値を血糖値という
・低血糖の場合は「アドレナリン・グルカゴン・糖質コルチコイド」が分泌される
・高血糖の場合は「インスリン」が分泌される
(1)血糖値
ヒトの血液中に含まれる「グルコース」を血糖といいます。
また、それを示す値を血糖値といい、健常者の血糖値は「血液100mLあたり、約100mg(約0.1%)」ほどになっています。

これを基準に、

・高血糖:約130mg / 100mL以上
・低血糖:約70mg / 100mL以下

となり、血糖値調節の仕組みがはたらくようになっています。

(2)血糖値の調節にはたらくホルモン
血糖値は次の4つのホルモンが(主に)調節しています。

・「アドレナリン」と「グルカゴン」
この2つは「グリコーゲンをグルコースに分解」して、血糖値を上げるはたらきがある

・「糖質コルチコイド」
「タンパク質を糖に」変えて血糖値を上げるはたらきがある

・「インスリン」
グルコースをグリコーゲンに合成して、血糖値を下げるはたらきがある
(グルコースの分解を促進するはたらきもある)

(3)低血糖になったとき
「副腎髄質」からアドレナリン、「すい臓のランゲルハンス島」のA細胞(α細胞)からグルカゴンが分泌されて、「グリコーゲンをグルコースに分解」します。
さらに、「副腎皮質」から糖質コルチコイドが分泌されて、タンパク質の糖化が促進されて血糖値を上げようとはたらきかけます。

(4)高血糖になったとき
「すい臓のランゲルハンス島」のB細胞(β細胞)からインスリンが分泌されて、主に肝臓内で「グルコースをグリコーゲンに合成」します。

この機能が弱くなっている状態が、糖尿病です。

<補足>
糖尿病には、2つのタイプがあります。

・I型糖尿病
 インスリンを分泌する細胞が(何らかの原因により)破壊され、インスリンがほとんど分泌されないために起こる。
こちらのタイプは「インスリンを注射で補う」ことで改善する。

・II型糖尿病
 インスリンの分泌量の低下や、標的器官のインスリンの受容体が異常を起こすことによる生活習慣病の1つ。
遺伝的な要因や、運動不足・食べ過ぎなどの生活習慣が原因となって起こる病気。

<まとめ>
・ヒトの血液中に含まれるグルコースを血糖といい、それを示す値を血糖値という
・低血糖の場合は「アドレナリン・グルカゴン・糖質コルチコイド」が分泌される
・高血糖の場合は「インスリン」が分泌される

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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