生物基礎:濃縮率

<ポイント>
・「物質の尿中の濃度」を「物質の血しょう中の濃度」で割ったものを濃縮率という
〔濃縮率〕=〔尿中の濃度〕/〔血しょう中の濃度〕
・濃縮率を調べるには、再吸収されにくい(されない)物質に着目する(イヌリンなど)
(1)濃縮率
特定の物質において、「物質の尿中の濃度」を「物質の血しょう中の濃度」で割ったものを濃縮率といいます。

式にして表すと、
〔濃縮率〕=〔尿中の濃度〕/〔血しょう中の濃度〕
となります。
(「率」とついていますが、単位はないので注意が必要。「%」をつけない。)

この濃縮率は、「原尿と比べて、実際に排出される尿がどれだけ濃くなっているのか」ということを表します。

(2)濃縮率を求める計算
濃縮率を調べるためには、再吸収されにくい(されない)物質に着目します。
よく用いられるのが、「イヌリン」(ゴボウなどの植物がつくる多糖類)です。

イヌリンを体内に入れると、糸球体からボーマンのうへとろ過されますが、「細尿管などで再吸収されることなく、すべてが排出され」ます。

そのため、イヌリンがどれだけ濃縮されているのかを調べることで、原尿の量や他の物質が再吸収されているかどうかなどを知ることができます。

たとえば、
イヌリンの血しょう中の濃度が0.1%だったとき、原尿中の濃度が0.1%、尿中の濃度が12%となったとします。(すべて、およその値です)

〔濃縮率〕=〔尿中の濃度〕/〔血しょう中の濃度〕

であることから、
〔濃縮率〕=12% / 0.1% = 120
と求めることができます。

<補足>
「グルコースは、健常者では細尿管で100%再吸収される物質」なので、尿中に排出されることはありません。
血液中のグルコース濃度が(ふつうよりも)高すぎると、すべてを再吸収することができなくなってしまいます。
尿中にグルコースが排出されたものを「糖尿」といい、この病気を「糖尿病」といいます。
<まとめ>
・「物質の尿中の濃度」を「物質の血しょう中の濃度」で割ったものを濃縮率という
〔濃縮率〕=〔尿中の濃度〕/〔血しょう中の濃度〕
・濃縮率を調べるには、再吸収されにくい(されない)物質に着目する(イヌリンなど)

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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