生物基礎:DNA複製の仕組み

<ポイント>
・二重らせん構造をしたDNAの一部がほどけて、2本のヌクレオチド鎖が離れる
・離れた各ヌクレオチド鎖の塩基に対して、新しく相補的な塩基をもつヌクレオチドが結合
・「新しいDNA分子は、二重らせん構造のうちの1本を元のDNA分子からそのまま」受け継ぐ(=半保存的複製
(1)DNA複製の流れ

① 二重らせん構造をしたDNAの一部がほどけて、2本のヌクレオチド鎖が離れる

② 離れた2本のヌクレオチド鎖それぞれの塩基に対して、新しく相補的な塩基をもつヌクレオチドが結合していく
(なお、この「相補的な塩基」とは、AとT、GとC(結びつく組み合わせ)のこと)

③ 隣り合うヌクレオチド同士が「酵素のはたらき」によって結合していき、新しいヌクレオチド鎖(DNA分子)ができる

この流れによって、「元の2本鎖DNAと同じ塩基配列をもつ」2本鎖DNAができます。
(同じものができるため、「複製」と表現されています)

(2)半保存的複製

DNAの複製は「2本のヌクレオチド鎖がそれぞれ鋳型となり」、新しい鎖が複製されます。
(「鋳型」とは、同じものをつくるために使われる「型」という意味です)

つまり、「新しいDNA分子は、二重らせん構造のうちの1本を元のDNA分子から」そのまま受け継ぐことになるのです。
「半分はそのまま残る」ということから、この仕組みを半保存的複製といいます。
この仕組みは「メセルソン」と「スタール」が実験によって証明しました。

<補足>
(真核生物の)DNAの複製は、永久に複製されるわけではありません。
DNAの末端にある「テロメア」という構造が複製のたびに短くなっていき、これがある一定の長さより短くなると、複製できなくなってしまいます。
DNAの複製が行われなくなると、細胞分裂ができなくなります。
<まとめ>
・二重らせん構造をしたDNAの一部がほどけて、2本のヌクレオチド鎖が離れる
・離れた各ヌクレオチド鎖の塩基に対して、新しく相補的な塩基をもつヌクレオチドが結合
・「新しいDNA分子は、二重らせん構造のうちの1本を元のDNA分子からそのまま」受け継ぐ(=半保存的複製

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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