生物基礎:酵素の特性

<ポイント>
基質特異性:各酵素は、特定の基質としか反応しない
最適温度:酵素は特定の温度でよくはたらく
最適pH:酵素は特定のpHでよくはたらく
(1)基質特異性
酵素は、活性部位で基質と結合して化学反応を促進します。
この結合できる相手(基質)は、決まっています。

つまり、「活性部位の立体構造に対応した特定の基質としか反応しない」ということです。
この性質を(酵素の)基質特異性といいます。

(2)最適温度
ふつう化学反応は温度が高いほど速く進みます。
しかし、酵素はタンパク質でできているため、「一定温度以上になると、立体構造が変化して失活してしまう」という特性があります。
(触媒のはたらきの大きさを「活性」、活性を失うことを「失活」といいます)

そのため、酵素が最もよくはたらく温度を最適温度といいます。
ヒトの場合、体温くらいの温度でよくはたらくようになっています。

(3)最適pH
酵素はタンパク質でできているため、「強い酸やアルカリの中にあると、立体構造が変化」してしまいます。
(立体構造が変化すると、性質が変わってしまいます)

つまり、「溶液のpHによって、酵素のはたらき(活性)は変化する」ということです。
最も活性がよくなる(活性が最大になる)pHを最適pHといいます。

〔酵素の最適pH〕
・ペプシン:およそ2(酸性)
・アミラーゼ:およそ7(ほぼ中性)
・トリプシン:およそ8(アルカリ性)

<補足>
一定の量の酵素に対して、反応させる基質濃度を上げていくと、「酵素が基質と結合しやすく」なります。
そのため、(ある濃度までは)基質濃度に比例して「反応速度が上昇」します。

しかし、ある濃度まで達すると、すべての酵素が基質と結びついて、酵素ー基質複合体をつくっている状態となるため、各酵素の反応が終わるまでは「それ以上基質濃度を上げても反応速度は変化しない」ままになります。
(各酵素の反応が終わるまでは、反応速度が一定になるということ)

<まとめ>
基質特異性:各酵素は、特定の基質としか反応しない
最適温度:酵素は特定の温度でよくはたらく
最適pH:酵素は特定のpHでよくはたらく

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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