物理基礎:仕事

<ポイント>
・「物体に力を加えて、力を加えた方向に動かすこと」を仕事という
・力を加えた方向と移動する方向が同じなら 仕事W[J]=力F[N]・移動距離s[m]
・力を加えた方向と移動する方向が違うなら 仕事W[J]=力F[N]・移動距離s[m]・cosθ
(1)仕事
「物体に力を加えて、力を加えた方向に動かすこと」を仕事といいます。
これを「力は物体に対して仕事をした」といいます。

(2)力を加えた方向に物体が移動する場合の仕事
仕事 W [ J ]=力の大きさ F [ N ]・移動距離 s [ m ]

たとえば、物体を 10 N の力で引いて、引いた方向に 2 m 動いたとします。
このとき、引いた手が物体にした仕事 W は、 10×2 = 20 [ J ] となります。

(3)力の向きと移動する向きが異なる場合
斜めに力を加えた仕事

この場合は、力を分解して「水平方向の分力」を用いて計算します。
「力を加えた向き」と「水平方向」とのなす角をθとすると、
〔水平方向の分力〕=加えた力 F ・cosθ となります。

よって、
仕事W[J]=力F[N]・移動距離s[m]・cosθ

なお、この θ の値によって、仕事 W の符号が変わります。
0≦θ<90°の場合、W>0
θ=90°の場合、W=0
90°<θ≦180°の場合、W<0

<補足>
・物体に力を加えたが、物体が動かなかった場合
 仕事=0J となります。
 ①の動かした距離=0 なので、積は0となってしまいます。

・物体を持ち上げて動かない場合
 仕事=0J となります。
 ①の動かした距離=0 なので、積は0となってしまいます。

・物体を持ち上げて、そのまま支えて水平方向に移動した場合
 仕事=0J となります。
「物体に力を加えて、力を加えた方向に動かすこと」を仕事というので、移動方向への分力が0Nとなります。つまり、「力を加える方向」と「移動する方向」が垂直な場合は、いくら力を加えても仕事は 0 のままです。

<まとめ>
・「物体に力を加えて、力を加えた方向に動かすこと」を仕事という
・力を加えた方向と移動する方向が同じなら 仕事W[J]=力F[N]・移動距離s[m]
・力を加えた方向と移動する方向が違うなら 仕事W[J]=力F[N]・移動距離s[m]・cosθ

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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