勉強方法:概念の会得や体系化は重要だが、あくまでも段階的に積み上げるべきもの

たしかに勉強方法は人それぞれの面があり、自分に合ったものを模索していけばいいですが、
ただ、「概念の会得や体系化を意識しすぎている人」については少々注意した方がいいと思います。

具体的には、「この項目の概念・神髄はこれだ」とか「この項目は、これとこれとこれから構成されていて、これに関してはこういうケースに登場する」ということを「まず先に理解すべき」と思っている場合です。
たしかに最終的にはこうしたことを習得できるのが理想ですが、あくまでも「問題集を解いたり、少しずつ難易度を上げていく中で掴んでいくもの」というように思ってください。
(先に全部覚えようとすべきでない)

主な理由としては、

第1に、理解が「追い付かない」可能性があることです(そもそもレベルが達していない)。
例えば、高校範囲であれば英語の「5文型」は重要項目ですが、初めて英語を習う段階でいきなりこれを導入するとおそらく意味不明で終わります。
一旦は理屈抜きで多くの例文を頭に入れ、その上で「整理する」ことで5文型について理解が進むわけです。
つまり、体系化は重要ですが、いきなり何でもかんでも体系化していくのはかえって効率が悪くなる場合もあるということです。

第2に、理解が「深まらない」可能性があることです。
そもそものこととして、概念の会得や体系化に関しては、
① 理論や理屈を踏まえて事例に当てはめる(概要ページにある内容を実際の問題に当てはめる)
② 事例を踏まえて理論や理屈の理解を深める(実際の問題を解く中で、「こういうことか」と気付いていく)
の両方向で行う必要があります。

この文章で注意を促したいのは、① に比重が偏っている人のことです。
実際に行うべき勉強方法として、「(よくわからないまま着手したが)問題を解いていく中で、頭の中が整理されていく」というのも、① と同程度に重要だというように思ってください。
極論を言えば「気付いたら、体系化できていた・言っていることの意味がわかった」くらいのイメージで、「質がいまいちながらも量をこなす」ということも実際には必要です。

第3に、重要度のメリハリがつかないためです。
全部を網羅しようとすると、とにかく参考書・問題集の全ページに目を通すことに変に意識が行ってしまい、かえって「広く浅く」という理解になってしまうケースがよくあります。
本当はそこまで重要ではないのに、リストにあるから覚えよう、という気持ちにもなってしまいかねません。
また、項目の数が多いと最後の方にはテンションが下がってしまったり(例えば、最初の3個は勢いよく確認できたが、最後の方は目を通すだけになってしまう、等)、全部を覚えられない・定着しないというケース(暗記力の話)もあります。
 
 
以上を踏まえ、総じて言えば、
難関大学を目指す場合であっても、まずは基礎レベル(難易度が低く、ページ数も少ないもの)を十分に理解して全体像を把握し、その上で次の教材で肉付けをしていくという方法を採るようにしてください。

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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