【質問】化学(高校):中和滴定で、コニカルビーカーが水で洗浄後濡れたまま使用していいのはなぜですか

〔質問〕
中和滴定で、コニカルビーカーが水で洗浄後濡れたまま使用していいのはなぜですか
〔回答〕
コニカルビーカーが水で少々濡れていたとしても、入れた酸の H の「個数」自体には影響ないためです。
(コニカルビーカー側が酸、滴下する方が塩基の場合)

例えば、投入した H が100個だったなら、濃度としては多少薄まったとしても、個数としては100個のままで存在するはず、という話です。
 
 
中和滴定においては「Hの数=OHの数」という状況を作ることが目的なわけですので、
H の個数が変わらないのであれば、中和点に達するのに必要な OH の個数にも影響はなく(100個分投入したら中和)、何ら問題ないということになります

〔補足〕
一方、滴下する側は、OHの数を「濃度×滴下した量」によって求める、という作戦をとっています。
そのため、もし水で濡れていた場合、「濃度」の値が変わってしまうことになり、
それに「滴下した量」をかけてしまうと、誤ったOHの数が求まることになります
(1mol/Lのつもりで10mLだと思っていたが、実際には0.8mol/Lで10mLの段階で中和していた、みたいなことが起こる)

そのため、こちら側は濃度が変化しないように気をつけておく必要があります。

共洗い(その溶液で洗浄すること)の理由も同様の理屈によるもので、水で洗っていたら、残った水滴によって濃度が変わるためです。
一方で、元々使用予定だった液体で洗っておけば、残った分が混ざったとしても濃度に影響は与えない(=無視できるレベルの誤差)ことになります

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
アンケートへのご協力をお願いします(所要2~3分)
「将来設計・進路」に関するアンケートを実施しています。ご協力いただける方はこちらよりお願いします
(Googleフォームにアクセスします)

当サイト及びアプリは、上記の企業様のご協力、及び、広告収入により、無料で提供されています