高校英文法:名詞構文④ 目的語を表す所有格

<例文>
I am responsible for her protection.
「私は彼女を守る責任がある」

<ポイント>
・所有格 は「 〜 の 」以外の訳し方がある
・所有格 + 名詞 に文が隠れている
・所有格 を「 〜 を 」と訳せる

【 名詞構文の概要 】
英語は日本語と違って 名詞 をよく使います。日本語で意味を考えると文になっていたり、動詞の意味が出たりするにもかかわらず、英語には名詞が使われていたりします。

例えば despite all our efforts はそのまま訳すと「私たちのすべての努力にも関わらず」となります。言いたい内容は伝わりますが、少し日本語が不自然です。これを「私たちは努力したにも関わらず」と訳すと自然な日本語訳になります。all our efforts は見た目は 名詞 ですが、「私たちは努力した」と文が隠れていることに気付けば自然な日本語訳にすることができるわけです。

このように訳せるための知識が名詞構文という単元なのです。

【 名詞構文に気付くためのポイント 】
名詞構文に気付くためのポイントは次の2点です。

① of・by・所有格 が付いている名詞に注目する
② 動詞や形容詞から派生された名詞に注目する

上で挙げた例を使うと、despite all our efforts は efforts に 所有格 our が付いていて、「私たちが努力する」と訳せるので、名詞構文だと気付けます。

【 主語を表す 所有格 が付いている名詞構文 】
所有格 + 名詞 という形には、2パターンあります。

「 所有格 が 名詞する・名詞だ 」という関係
「 所有格 を 名詞する 」という関係

今回は ②「 所有格 を 名詞する 」を解説していきます。

I am responsible for her protection.
「私は彼女を守る責任がある」

her protection に注目しましょう。
protection「保護」 という名詞に her が付いていますね。
さらに protection動詞 protect から派生された名詞でもあります。
よって、her protection が名詞構文だと気付くことができます。

次に、her を 「 〜 が 」 と訳すか 「 〜 を 」 と訳すか判断しなければなりません。判断方法は名詞 protection に注目しましょう。protection を「守る」と考えたときに「彼女が」か「彼女を」かどちらが意味的に合うか確認します。今回は「彼女守る」となるので、her は「を」と訳せるとわかります。

このように名詞構文に気付くことができれば、I am responsible for her protection. を「私は彼女を守る責任がある」と訳せるようになります。

<その他の例文>
They hurried to the spot for her rescue.
「彼らは彼女を救出するためにその場へ急いだ」

He saved some amount of money for his son’s education.
「彼は息子を教育するためにある程度のお金を貯めた」

<補足>
所有格 + 名詞 で「〜を…する」と訳される場合、受け身の関係 が隠れているとも捉えることができます。

her protection は 「彼女を守る」 と訳されますが、「彼女が守られる」 と受け身の関係も隠れています。

<まとめ>
・所有格 は「 〜 の 」以外の訳し方がある
・所有格 + 名詞 に文が隠れている
・所有格 を「 〜 を 」と訳せる
・受け身の関係が隠れていると捉えることもできる

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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