高校地理(地形):大地形

(※ 高校地理はひとまず文章での解説を掲載しています)

 

大地形(だいちけい):地殻変動などによって形成された、大規模な山脈や広大な平地など

造山活動(地殻が変動して陸地が盛り上がったりする)の時期によって、大きく3つに分類される
・安定陸塊   :先カンブリア時代
・古期造山帯:古生代(恐竜の時代の初期頃)
・新期造山帯:中生代以降

 

安定陸塊(あんていりくかい)

先カンブリア時代(約5億5000万年前より以前の時代)に造山活動があった地形。
その後、活動は安定化しており、長年の雨水などによる侵食を受けて、現在では「侵食平野」と呼ばれる平坦な地形となっている。

また、安定陸塊では鉄鉱石(=酸化鉄)がよく採れる傾向にある。
もともと初期の地球には海中に鉄イオンが多く存在していたが、先カンブリア時代に植物がさかんに光合成を行って酸素を作ったことで、両者が結びついて酸化鉄ができた。
その後、この酸化鉄を含む土地(海中)が隆起して陸地となったことで、ここには鉄鉱石が多く埋蔵されている傾向にある。

 

楯状地(たてじょうち)

安定陸塊のうち、全体的になだらかな形状をしているものを「楯状地」という。身を守る「楯」を置いて横から見たような形をしているため、そう呼ばれる。
楯状地は、侵食平野のうちの「準平原」に対応することが多い。

 

卓状地(たくじょうち)

安定陸塊のうち、周辺部が侵食されてテーブル上の形状をしているものを「卓状地」という。先カンブリア時代の地盤が侵食されずに残り、その上に古生代以降の地層が堆積している(堆積した後、その部分は適度に侵食されて、比較的平らになっている)
卓状地は、侵食平野のうちの「構造平野」に対応することが多い。

 

安定陸塊の分布

〔名称〕
ゴンドワナランドアフリカ大陸・アラビア半島・インド亜大陸、オーストラリア大陸、ブラジル高原
アンガラランドシベリア卓状地
フェノサルマチアロシア卓状地、バルト楯状地
ローレンシアカナダ、グリーンランド

 

古期造山帯(こきぞうざんたい)

古生代(約5億5000万~約2億5000万年前)の頃に造山活動が起こった所。
その後は活動が止まり、雨水などによる侵食が進んでいるため、全体的になだらかな山地となっている。
※ 安定陸塊の地域ほどには時間が経過していないため、まだ「山」としては残っている

また、古期造山帯の地域では、石炭がよく採れる傾向にある。
これは、古生代の時期の樹木などがいい感じに炭化して埋まっているからである。

 

主な地域・山脈

・カレドニア造山帯:ヨーロッパ北部(ペニン山脈(イギリス)、スカンディナビア半島)
・バリスカン造山帯:イベリア半島~フランス北部~ドイツ(ピレネー山脈部分は除く)

・ウラル山脈(ロシア)
・テンシャン山脈(中国)
・アパラチア山脈(アメリカ合衆国)
・ドラケンスバーグ山脈(南アフリカ共和国)
・グレートディバイディング山脈(オーストラリア)

 

新期造山帯(しんきぞうざんたい)

中生代以降、造山活動が活発な所。現在でも活動は続いているため、急峻な山脈を形成している。日本はここに該当。
また、地殻変動が活発なことから、地震や火山の噴火も起こりやすい。

金をはじめとするさまざまな鉱物が採取されるが、特に石油がよく採れる傾向が強い。これは、山地が褶曲している(うねっている)ことで、石油が貯まりやすい箇所が比較的多いためである。
(※ 石油は新期造山帯だけとは限らない)

 

環太平洋造山帯

太平洋を取り囲むように分布。日本はここに分布

・ニュージーランド
・ニューギニア島
・フィリピン
・日本列島
・アリューシャン列島
・ロッキー山脈(北アメリカ大陸)
・アンデス山脈(南アメリカ大陸)

※ グレートディバイディング山脈(オーストラリア)は古期造山帯。環太平洋造山帯にはかかっていない

 

アルプス・ヒマラヤ造山帯

ヨーロッパ南部・アフリカ北端部から、インドネシアにかけての地域

・ピレネー山脈(スペインとフランスの国境)
・アトラス山脈(アフリカ北端部)
・アペニン山脈(イタリア)
・アルプス山脈
・アナトリア高原(トルコ)
・ザグロス山脈(イラン)
・ヒマラヤ山脈
・マレー半島、インドネシア

 

【関連項目一覧】
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