(※ 高校地理はひとまず文章での解説を掲載しています)
堆積平野とは
河川や潮流などによって運搬された土砂が堆積してできた地形。侵食平野(安定陸塊)と比較すれば、ちょこっとした外的営力によって形成されたもので、平野としては小規模。
形成時期により、① 沖積平野と、② 洪積台地に分類される。
整理:平野の分類
(1)侵食平野:長年の侵食作用を受けて形成。大規模。安定陸塊
① 準平原 (≒楯状地)
② 構造平野(≒卓状地)
(2)堆積平野:外的営力(河川)による長年の堆積作用によって形成。比較的小規模
① 沖積平野:沖積世に入って以降の河川の堆積作用によって形成
② 洪積台地:洪積世に形成された平野が隆起して台地に
沖積平野
沖積世(約1万年前~現在)以降に形成された平野。
ただし、近年の研究では、元々考えられていた沖積世以前から堆積が進んでいたとされており、時代区分としても沖積世と呼ばずに「完新世」と呼ぶようになっている。
沖積平野で見られる地形
扇状地
勾配が急減する箇所、つまり山地から低地に開ける箇所から形成される地形。谷口を頂点として扇形に土砂が堆積している(基本的に、水は各方向に均等に流れていくため)
(扇頂~)扇央部分では大きい石が堆積し、水はけが良すぎる。稲作には向かない。
自然堤防
河川の流れに対して、その両側に土砂が堆積することで形成される地形。周囲よりも高くなっており、洪水が起こっても水がすぐ流れていくので被害は小さい(もちろん、決壊しなければ…)
後背湿地
自然堤防の外側にある平地。洪水時にあふれ出た、粘土を含む水が残ることで、一般に水はけが悪い。沼や湿地となっている。
三日月湖(河跡湖)
もともと蛇行していた川の一部が切り離されて、湖沼として残ったもの。洪水などによって流路が変わったため。
三角州
河口付近で土砂が堆積してできる地形。河川の力・沿岸流の力・潮汐の力が絡み合うことで、大きく3タイプに分類される
〔河川の力が相対的に強い〕
・鳥趾状三角州(ちょうしじょう):ミシシッピ川河口が代表的
〔沿岸流の力が相対的に強い〕
・円弧状デルタ:ナイル川河口が代表的
・カスプ状デルタ:カスプとは「尖頭」の意。ちょっと尖がっているような河口
洪積台地
洪積世(約250万年前~約1万年前)に堆積した地層が隆起して(または海面の沈降)形成された台地。日本では武蔵野台地や牧之原台地が該当。
なお、洪積世の時代の地層は、地表面に残っているとすれば、河川の堆積や侵食を免れることができた台地に限られる。低地のままの状態だと、堆積が進んで沖積平野になっている(地面に埋もれている)か、侵食が進んで準平原になっているため。
洪積台地で見られる地形
河岸段丘
河川に沿って形成される階段状の地形。
① 川原の形成
② 土地の隆起し、河川の侵食作用が強まる(海面との高低差が大きくなるため)
③ ①の川原は残ったまま掘り進められ、(低い所で)新たな川原が形成される
(①~③ を繰り返す)
海岸段丘
海岸付近で形成される階段状の地形。
堆積などによって海底にできた平らな地形が、土地の隆起によって地表に出てくる、ということを繰り返すことによって形成。