(※ 高校地理はひとまず文章での解説を掲載しています)
侵食平野とは
もともとの土台は内的営力によって形成され、大規模。つまり「大地形」レベルの話で、いわゆる安定陸塊に相当。土地の形成後は内的営力の影響は受けず、その後、長年の侵食作用を受けている。
でき方によって、① 準平原と、② 構造平野 に分類される。
整理:平野の分類
(1)侵食平野:長年の侵食作用を受けて形成。大規模。安定陸塊
① 準平原 (≒楯状地)
② 構造平野(≒卓状地)
(2)堆積平野:外的営力(河川)による長年の堆積作用によって形成。比較的小規模
① 沖積平野:河川の堆積作用によって形成
② 洪積台地:洪積世に形成された平野が隆起して台地に
① 準平原(peneplain)
先カンブリア時代の造山活動によって基本部分となる陸地が形成され、その後、河川などの侵食作用によって平坦になったもの。もともとはデービスが提唱した「侵食輪廻」の最終形態とされる地形のことを指す。
「準平原」と「楯状地」はほぼ同義と扱って構わない。
正確には、「準平原」はでき方に、「楯状地」は形状に着目した用語で、本来は別物だが、実際には楯状地はふつう河川などの侵食によってできているため、準平原とほぼ同義になっている。
(準平原は、定義上、河川の侵食作用で形成されていればいいので、例えば、安定陸塊にない日本でも、小規模なものであれば準平原は存在すると言われる)
残丘(モナドノック)
準平原に点在する丘陵。かたい岩石が侵食されずに残っているもの。
② 構造平野(structural plain)
基本部分は、先カンブリア時代の陸地の上に、古生代~中生代にかけて水平に地層ができて形成。その後の内的営力の影響は受けておらず、地層は平行のままとなっている(基本的に褶曲などは見られない)。陸地の形成後は、長年、風雨による侵食を受けており、侵食平野に分類される。
「構造平野」と「卓状地」はほぼ同義と扱って構わない。
これも「準平原/楯状地」と同様に、「楯状地」は形状に着目した用語で、本来は別物。
また、「平野」という名称がついているが、低地に限る必要はなく、台地や高原であっても、上記のような形成のされ方をしていれば構造平野に分類される。
ケスタ地形
構造平野で形成される地形の一つ。
「やわらかい地層」と「かたい地層」が繰り返していて、しかも傾斜している場合、端の箇所では地表面で両者が現れることになる。「やわらかい地層」の方が特に侵食され、「かたい地層」が残ることで、緩やかな部分と急な部分が生まれる。パリ盆地やロンドン盆地が代表的。
主に、緩やかな部分では小麦などの農地として利用され、急な斜面ではブドウの栽培が行われる。