英語の動詞には『自動詞( Vi )』『他動詞( Vt )』と2種類の動詞があります。大学入試では、動詞の語法として頻出であることに加えて、英文の構造を正確に理解するためには必ず理解をしておかなければならない文法用語です。ここでしっかりと理解しましょう。
〔自動詞と他動詞の違い〕
自動詞( Vi )と他動詞( Vt )の違いは、目的語をとるかどうかです。
つまり、動詞の直後に目的語になる“名詞”を、
・とれない動詞のことを『自動詞( Vi )』といい、
・とれる動詞のことを『他動詞( Vt )』といいます。
以下の例で確認していってください。
なお、途中でも触れていますが、あくまでも「英単語としてどっちで使われているか」というものです。日本語の使い方と1:1で対応できるものではありませんので、これには注意してください。
〔例1〕 watch TV
動詞 watch の後ろに目的語である“名詞 TV” があるので、watch は『他動詞( Vt )』です。
〔例2〕 look at the picture
動詞 look の直後には目的語になる“名詞”がないので、look は『自動詞( Vi )』です。
上記の例で挙げた動詞 watch / look は、「見る」という同じ日本語に訳すと思いますが、英単語としては使い方が異なります。日本語訳から自動詞( Vi )と他動詞( Vt )を判断しないようにしましょう。
それから長文読解の際のことですが、英文を読んでいる際に動詞を見つけた時、
その動詞が『他動詞( Vt )』だと知っていれば、その動詞の後ろに目的語になる“名詞”を探しながら読むことができますし、
『自動詞( Vi )』だと知っていれば目的語になる“名詞”を探す必要がなくなります。
入試本番で時間内に長文を読み切るためには、動詞から先の文構造を予測しながら読める力が必要になります。
<自動詞( Vi )と他動詞( Vt )の注意点>
英語の動詞すべてを『自動詞( Vi )』か『他動詞( Vt )』かのどちらか一方だけに分けられるわけではありません。ほとんどの動詞は『自動詞( Vi )』と『他動詞( Vt )』の両方の性質を持っているので、英文内で登場する各動詞がどちらなのか臨機応変に判断する必要があります。
〔例3〕 get to Osaka station
動詞 get の後ろには目的語になる“名詞”がないので、この英文内での get は『自動詞( Vi )』となります。
〔例4〕 get a new bag
動詞 get の後ろに目的語である“名詞 a new bag” があるので、この英文内での get は『他動詞( Vt )』となります。
英文を正確に理解する上で、動詞の知識は必ず必要です。その知識は単純に動詞の意味を覚えるだけでなく、自動詞( Vi )か他動詞( Vt )の知識、さらにはどんな文型をとるのか、主語にくる名詞との相性の良さなどさまざまあります。動詞に注目しながらたくさんの英文を読み、動詞の知識を高めていってください。